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「人を雇う」を考える 4

2009年06月04日

刺激となるライバルが欲しい!

先月、5月。当事務所に新しいスタッフが加わりました。S君、29歳。
業務量から見ると、私と去年から働いているA君、2人でも充分すぎるくらいで、人手が足りないわけではありませんでした。ただ、“刺激”を与えてくれる人間が欲しかったのです。

仕方がないことですが、私とスタッフひとりだと、どうしても2人の間に“大きな差”が生まれます。私より仕事ができなくても当然ですから、“できなくてもしょうがない”という停滞感が蔓延している。そんな感じを受けていました。

人間誰しも(とくに若いときは)、「あいつに負けたくない」というライバルが存在すると、これまで以上の頑張りを見せるものです。そこで、ライバルをひとり投入し、2人で切磋琢磨してがんばってもらおう。ひいては事務所の機運を盛り上げようと考えたのです。

そこで、

  • 社会人経験がある
  • 新規開拓営業の経験があり、忍耐強い
  • ハングリーである

この3点を条件に採用活動を行なうことにしました。

求人会社もライバル出現!?

求人会社は、前回お世話になったenジャパンにまたお願いしようと思い、担当者と打ち合わせをスタートします。採用経緯と求める人材について伝え、採用広告の提案も依頼。ある程度カタチは固まりつつありました。

ところが、ちょうどそのタイミングで、飛び込みで求人会社のテレアポ(営業電話)が入ります。マイナビ(毎日コミュニケーションズ)の代理店の女性でした。
「enジャパンに決めている」と伝えたのですが、「会うだけでいいので」と粘ります。そこで一度会って話をし、後日、提案も送ってもらいました。が、内容はいまひとつ。やはり一度やってこちらのことを理解してくれているenジャパンに分がありました。

しかし、正式に断っても、もう一度提案したいと粘ります。一種、熱意にほだされたようなかたちで、飲んでいた席に来てもらい、再インタビューを受けました。酒が入っていたせいもあってか話が盛り上がり、12時過ぎぐらいまでいろいろ話をしたでしょうか。なんと、次の日の朝には彼女から2パターンの提案が送られてきました。それもかなりこちらの意図を汲んだ内容に仕上がっています。聞くと、飲み会が終わった後、会社に戻り徹夜で考えた、と。

がんばっている人との出会いはいいものです。採用活動もきちんとフォローしてくれそうな予感がしたのと、enジャパンより安価だったこともあり、今回はマイナビに掲載することに決定しました。

辛口の採用広告で勝負!

そこからハイスピードで原稿を上げてもらい、2月後半には掲載。4月から採用したいと考えていたので、確定申告で繁忙期である3月に、面接を同時進行して行なうことになりました。
まず、採用広告については、前回よりかなり厳しい内容を打ち出しました。

前回は、初めての採用で応募が来るかという不安から、多少“やさしめ”の打ち出しをしたのです。結果、応募数については約100名と大成功でしたが、甘い考えで応募してくる人の割合も多いという結果となりました。そこで、今回は応募者におもねることなく、ストレートに厳しい条件でのぞみます。
想定内というのか、広告を掲載してからも、応募はポツリポツリといった状況で芳しくありませんでした(最終的には約30名)。ただ、実際に会っていくと、前回よりしっかりとした応募者が多い印象を受けました。募集の書き方ひとつで、応募してくる人間像も数も大きく変わってくるものです。

条件付きで研修生を迎え入れる

ただし、いくらいい人材でも、今回は、“A君”という縛りがあったため、選考は困難を極めました。つまり、A君と同じようなタイプでは意味がなく、A君に刺激を与えるような人間が欲しかったのです。
採用広告以外の知人の紹介で、「彼なら」という人間もいたのですが、給与面の条件が合わず、ポシャってしまいます。

一時は、採用を見送ろうとも考えました。ただ、面接したなかで、ひとり気になる男性がいたため、もう一度会うことにします。
彼は昨年まで彼女と世界一周をしていたという“ちょっと変わり者”。話した印象は悪くないのですが、さほどハングリーさを感じなかったので、いまひとつピンときませんでした。ただ、面接と同時に行なった実務テストでかなり頭(カン)がいいという印象を受けていたのです。

再度、会ってはみたものの、やはり採用に踏み切る決め手はなく、だからといって断ろうとも決心できず、迷っていました。

そこで、やや乱暴なやり方ではありましたが、彼にひとつの提案をします。
「4月から1か月間、交通費は支給するけれど無給で試しに働いてみないか。その代わり、勉強と実務を指導する」と。その上で、1か月後に採用を(彼の意思も含めて)判断するという内容でした。もちろん、受けるも受けないも彼次第ですが、彼はそのオファーを受け入れ、4月から研修生として当事務所に入りました。

2人の切磋琢磨に期待!

1か月間、彼と接するなかで、A君とは正反対のタイプで、相性がいいのではないかと考えるようになります。
言ってみれば、「動のA君」と「静のS君」。
当初の条件だった「ハングリーな営業経験者」とはズレましたが、考え方が上手で気が効き、素直なところが評価ポイントとなり、5月から正式にS君を迎えることになりました。

いまのところ、彼は予想以上の働きを示してくれています。与えられた課題も比較的スピーディーにクリアし、A君にいい刺激を与えてくれています。
というわけで、当事務所は5月から3人体制となりました。まずは若い2人が切磋琢磨していいパフォーマンスを挙げ、私を刺激してくれるぐらいのレベルになってくれることを願っています。

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