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税理士と経営、起業、お金について語り合う「ランチ相談会@代々木上原」vol.2 ―起業前の備えと心構えについて夫婦で学ぶー

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「どうも税理士は敷居が高い」と感じている、個人事業主、経営者、起業を志望する方と、「もっとざっくばらんにコミュニケーションができれば」と税理士・布瀬川の発案でスタートした同企画。2回目は、当事務所も食事会などでよく利用する代々木上原の人気和食店「キガルニワショク弾」でソムリエ・マネジャーとして働く伊禮(いれい)達哉さん、そのパートナー歩美さんにご登場いただきます。近い将来、故郷の沖縄で独立を考えている達哉さんと、小学3年生の息子さんを持つ母として将来にやや不安を覚えている歩美さん。税理士プラス母としての顔を持つ布瀬川が疑問や不安にお答えします。

税理士紹介

布瀬川えり(税理士法人五島税理士事務所 代表社員)

ふせがわ・えり。立教大学経済学部経営学科出身。大手生命保険会社勤務中に税理士資格取得を志し勉強をスタート。税理士法人トーマツ(現デロイト トーマツ税理士法人)在籍中の2007 年、税理士登録。 2人の子供を持つ母親業との両立を考え、自身が居を構える代々木上原の現事務所に転職。17年、税理士法人設立とともに代表社員就任。共同代表の五島洋とともに、クライアントに寄り沿う姿勢を大切にしている。

今回の参加者

伊禮(いれい)達哉さん・歩美さん御夫妻 達哉さんの故郷である沖縄のリゾートホテルに勤務していた際に知り合い、結婚。 那覇でのフランス料理店勤務を経て、歩美さんの故郷である大阪へ。ソムリエの資格を活かし、都市型ワイナリーの先駆け的存在の大阪のフジマル醸造所に入社。約2年半、ワインショップレストランで働いた後、同社の東京出店の立上げメンバーとして上京。2年間勤務した後、イタリアンと和食が楽しめる人気店「オトナノイザカヤ中戸川」(代々木上原)に転職。現在、同店オーナー中戸川弾さんが開いた2店舗目「キガルニワショク弾」で活躍中。

「借入をするならば、創業時が狙い目。創業融資の手続きを税理士に依頼する際は、コストも要チェックです」

布瀬川

今日は御夫婦でありがとうございます。伊禮さんって、珍しいお名前ですよね。沖縄の御出身でしたっけ?

達哉

沖縄県の沖縄市出身です。沖縄ではメジャーな名前なんですが……。

歩実

沖縄以外では苗字の漢字の説明をする際に、結構メンドーですね(笑)。

布瀬川

達哉さんは、ずっと飲食畑でキャリアを積まれたんでしょうか。

達哉

はい、高校を出てすぐに恩納村のリゾートホテルに就職し、バーテンダーとして働いている時に、2年遅れで入ってきたのが歩実でした。知り合って2年後に結婚し、子供も生まれたところで、ソムリエの資格をもっと活かしたいという思いで那覇市のフレンチに就職しました。その後、さらなるキャリアアップを活かして、大阪のフジマル醸造所、その東京拠点の立上げに携わった後、縁あって代々木上原の今の店に移り、2年半になります。

布瀬川

元々、独立志向を持っていらした?

達哉

そうですね。家族との行事や時間を大切にしたいという強い気持ちがあって、18歳ぐらいから時間やお金を自分でマネジメントできるよう独立を考えていました。故郷・沖縄に帰って、那覇市で自分のお店を開ければと考えています。

布瀬川

お店を開くとなると、問題は資金ですね。資金の目安、調達についてはどのような計画を?

達哉

今、31歳なんですが、あと1年後の32歳には独立をしたいと考えています。
沖縄は繁華街の那覇でも物件、施工費も東京に比べてかなり安いので、初期投資はかけても1000万円程度でしょうか。あとは3か月分の生活費ぐらいは貯えておくべきだろう考えています。

資金については「ムリをしすぎないで、今の生活も大事にしなさい」と援助を申し出てくれている親戚関係もいるので、ありがたく頼りにしつつ、金融機関からの借入も視野に入れています。

歩実

いくら親戚関係の援助があるといっても、1000万円近く借金をするというのは、周囲に自営業の人がいない私には想像ができなくて……。けれど、これまで引っ越しが多かったこともあって貯金ができていないのも不安材料になっています。

布瀬川

奥様が不安に思うのは当然ですよね。とくに借金に抵抗を覚える方は、経営者の中にも多くいらっしゃいますが、じゃあ自己資金で賄うのがベターかというと、そうとも言えません。
とくに初期投資がかかる店舗ビジネスの場合、運転資金を確保しておくためにも、創業時にこそ借入をしておくのが正解です。

達哉

飲食店で独立した先輩たちも、口を揃えてそうおっしゃいますね。

布瀬川

今、日本では経済活性化の一環として起業率アップを掲げ、国の金融機関である日本政策金融公庫を中心に、創業融資に力を入れています。
私も創業融資のお手伝いをよくさせていただいていますが、創業時であれば審査の対象となるのはこれまでのキャリアと、それを踏まえた創業プラン、自己資金額、信用情報など。つまり計画性を持って準備をしていれば審査をクリアする可能性が高い。

一方、創業から何年か経つと、3年間の決算書の提出が求められるなど、審査が厳しくなります。もちろん業績が好調であれば問題ありませんが、そればかりは蓋を開けてみないとわかりません。
「困ってから借りればいい」と思っていても、創業時を逃すと、そのハードルは高くなるんです。

歩実

「借りる」なら、早めに借りるのが正解なんですね。

布瀬川

どんな業種・業態にも言えることですが、ビジネスを立ち上げ、軌道に乗せるまでが一番大変な時期になります。

私共のお客様で、飲食店オーナーの中にも、本来、自己資金で創業資金がまかなうことが可能だったのですが、「万一のために借りておいたほうがいいのでは」と助言を差し上げ、創業融資を受けた方がいらっしゃいます。この選択が吉と出ました。

実はオープンしてみたら、開業後1年間ほど想定以外に厳しい状況が続きます。
その間、融資と自分の貯えを元に、事業と生活を維持しつつ業態変換にトライし、ギリギリのところで黒字転換を実現したんです。

達哉

“転ばぬ先の杖”が功を奏したんですね。

布瀬川

逆に創業してから売上がなかなか立たず、困って相談に見えたお客様もいらっしゃいます。自己資金はすべて創業時に使ってしまい、といって業績も思わしくなく、融資も受けられない。結局、数か月で経営が立ち行かなくなってしまい、廃業に追い込まれるようなケースもあります。

歩実

お金がないからお金を借りたいのに、なくなってからでは遅いんですね。怖いです。

布瀬川

金銭面だけでなく、気持ちの余裕をもって事業を進め、日々の生活も維持していくためにも余裕資金はあればあるほど安心。今なら金利水準も低いので、創業融資では借りられるだけ借りておくのが得策です。

達哉

税理士の先生に、創業融資に必要な書類の作成などをサポートしていただくと、借入額の3~5%の手数料を支払うのが一般的と聞いたことがあるのですが……。

布瀬川

私共では、顧問契約を結んでいるクライアントの皆さまには無料でサポートしています。独立に成功しても、そこはあくまでスタート地点に過ぎません。長期で売上、利益を上げていく仕組みを早く確立することが肝要となります。

そのためにも、長期スパンでお付き合いをさせていただく上で、なるべく余計なコストをお客様にかけていただきたくないというのが当事務所の考え方です。

達哉

事務所によっても、顧問料や手数料の形態が異なるんですね。

布瀬川

そうですね。契約の際には、目先の顧問料の多寡だけでなく、オプションでかかるコストについても確認しておくことをお勧めします。

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「税金以外のお金回りのよろず御相談、ご質問も大歓迎です」

歩実

そもそも、税理士の先生にはどんな御相談をしてよいのでしょうか。税金のこと以外に、たとえば日々の家計の管理といった相談も受けていただくことは可能なのでしょうか。

布瀬川

税理士というと、一般的に税務代理、税務書類の作成、税務相談の三つが独占業務として知られていますが、当事務所ではお金回りのよろず御相談、ご質問も大歓迎です。

歩実

先になかなか貯金ができないと申し上げたんですが、今後、独立をして、自分でさまざまな税金の支払いなどをしっかりとやっていくとなると、出費がかさんだ時などは大変だろうなあ、と。特に、これから子供の教育費も本格的にかかってくると思うので、その辺りのやりくりや、心構えについてうかがえますか。

布瀬川

そうですね。会社員ならは決まった日に、決まっただけ給料が払われますが、独立するとそうもいかない。となると、お金に対する意識、金銭感覚をドラスティックに変えていくべき場面も出てきます。

達哉

独立に備えて、資金を蓄えておくためにも1年前から、平日午前に他の仕事も入れているのですが、もっと収入を増やしていくべき?

歩実

あるいは、もっときっちり節約していくべきでしょうか?

布瀬川

いえいえ、そういったマンパワーだけに依存した“がんばり”は、時間的にも体力的にも限界がありますし、精神的にもツラい。がんばった割には、あまり効果がないというのが現実だと思います。

そうではなくて、考え方、視点を変えてみることが大事です。

達哉

例えば、沖縄で冠婚葬祭があって帰省するとなると、渡航費だけでもかなりの出費となります。そういうときに、いろんな支払いが重なると正直ツラいですね。

布瀬川

もし国民年金などの支払いが厳しいといった時は、未納のままにしないで、年金事務所で「国民年金保険料免除・納付猶予」の手続きをすれば、その期間も年金の受給資格期間に算入されます。

年金額は減額となりますが、保険料を後から納める(追納)ことも可能。資金の余裕がある時に払って、年金額のカバーも実現します。

歩実

支払通知が来ると、「すぐに支払わなきゃ」という思いに駆られていましたが、そういう制度もあるんですね。

布瀬川

お金がないから「払わない」、あるいはカードローンなどで「借金して払う」といった極端な考え方にもなりがちですが、ちょっとした手間と手続きを踏むことで、国民としての義務を果たし、保障を受ける権利も享受することができます。

国民年金に限らず、何らかの支払通知が来たときに、「本当にすぐ払わないといけないものか」と立ち止まって考える癖をつけることも、家計と事業両方の“資金繰り”を考えて行く上では大事なポイントです。

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「節税や資金繰りは“仕組み化”が肝心。便利な制度をしっかり活用しましょう」

達哉

自分で働いて稼ぐというだけでなく、お金を上手に回す知恵をつけるということですね。

布瀬川

節税に関してもそうです。五島は「“仕組み化”が大事」とよく言っていますが、たとえば小規模企業共済への加入がその一例です。

小規模企業共済とは、個人事業主や中小企業の経営者、役員向けの制度で、事業を廃止した際に掛金に応じて共済金が受け取れる自営業向け退職金制度のようなもの。収入から掛金を全額控除できるのがメリットです。

また、貯金ができないとおっしゃっていますが、長い老後に向けては、iDeCo(個人型確定拠出年金)をスタートさせるのもオススメです。毎月、定額の積み立てにより、金融商品を購入し、“自分年金”を作る仕組みです。

掛金分は収入から、所得税、住民税が全額控除ができ、運用で出た利益も青天井で税金ゼロ。60歳以降、受け取るときも退職所得控除か公的年金等控除の対象となり、一定額まで非課税となります。

また、事業をスタートし、いずれは会社を設立すれば、会社という器、仕組みを活用したさまざまな節税も可能となります。

これらの仕組みは最初さえ諸手続きが必要ですが、始めてしまえば、後は手間いらずです。

達哉

ちなみに税理士への契約というのは、どの段階で考えるべきものなのでしょうか。

同業の先輩方にうかがうと、売上が2000万円以下の個人事業主といったケースでは、決算時だけお願いするケースが多いようです。
ですが、あるシェフは創業時の借入ほか、お金の交渉すべてを税理士の先生にお願いし、自分は本業の準備に集中できたのが非常によかった、と。ただ、顧問料負担の事を考えると、売上が立たない時期からお願いするのもどうなのかと……。

布瀬川

どの段階で税理士を依頼するかは、考え方や余裕資金の額にもよりますが、一つ、注意したいのが契約前の相談料の有無です。

当事務所では、創業前や税理士の交代を検討しているといった顧問契約前の相談は、来所いただく分にはすべて無料で行っています。

なかには、相談料ということでフィーがかかる事務所もありますが、特に創業前は、きちんとビジネスを立ち上げ、まずは売上、利益を上げていくことに注力していただきたいというのが当事務所のスタンスです。

達哉

たとえ数千円の相談料だとしても、その分を事業や預金に回せると考えると大きいですね。

布瀬川

“余ったら貯める”ではなかなか貯金をスタートできないもの。先のiDeCoや金融機関の積立制度などを利用して月3000円でも5000円でも、口座からの自動引き落としで始めるのがお勧めです。

歩実

これも“仕組み化”の一つ、と。ちょっとずつでも一歩を踏み出していけるよう家計を洗い出してみます。

布瀬川

はい、とくにお子さんがまだ小学低学年であれば、これから教育費の負担も増えてきます。大まかで構いませんので、「〇歳でこの程度、教育費がかかる」ということも試算しつつ、その備えのためにもぜひ早めにスタートさせてください。

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「夫婦でお金や事業についても積極的に情報共有を。最後の味方は“パートナー”です」

布瀬川

達哉さんは、長期の事業プランとして、何か描いている夢はありますか。

達哉

まずは一つの店舗をきちんとビジネスとして確立することが第一ですが、行く行くは沖縄にお店を出したいと考えている全国の飲食店オーナーの事業立ち上げをサポートするようなこともできればと思っています。

また、沖縄のブランディングにつながるような、独自の食材などの情報も発信していければと考えています。

布瀬川

歩美さんは、色々と将来へのご不安もあると思いますが、今日、ご夫妻でいらしてみていかがですか

歩実

今日、一緒にお話をうかがい、今までなんとなく“夢物語”のように捉えていた夫の独立が、より現実味を持った話として捉えられるようになったのは大きかったです。

どうしても、お店のある日は彼の帰りも遅いですし、午前中も別の仕事を入れているとなると、たまの休みの日ぐらいは「ゆっくり休んでほしい」「あまりシビアな話はしたくない」という思いから、お金や仕事の話はお互いなんとなく避けていた気がします。

達哉

どうしても夫婦だけで真剣な話をしようとすると、ケンカになりやすいですからね(笑)。

布瀬川

子供がいると、とくにそうなっちゃいますよね。我が家も同じです(笑)。
第三者が入ることで、話しやすくなることもありますよね。

クライアントの方の中にも、ご夫婦でビジネスをやっているケースが多くありますが、とくにスモールビジネスの場合、最後の最後で一番の味方になるのは家族やパートナーです。

ビジネスへの関与の有無に関係なく、意思疎通がうまくいっていないと、残念ながら“金の切れ目は縁の切れ目”という事態にもなりがち。

業績が良いときはいいですが、いざ苦境に立たされると、ビジネスも家族・夫婦関係も共倒れになってしまうケースも多々見受けられます。

歩実

20代のころは、日々、ガマンが積もり積もって、つい爆発してしまうこともありました(苦笑)。日頃からなるべく言葉にして、しっかりと情報を共有しておくことが大事ですね。

達哉

男性は「心配させたくない」という思いから、ついカッコつけてしまいがちですが(笑)、自分の夢をきちんとかなえるためにも、上手に“ケンカ”もしつつ、子供も含めたコミュニケーションの時間をとれるよう意識していきたいと思います。

布瀬川

独立に向けて、私も陰ながら応援しています。何か御相談があれば、ご近所同士、ぜひ気軽に事務所にも遊びに来てください。美味しいお食事、お酒もまた楽しみにお店にも参ります。

布瀬川s EYE

今回は、ご夫妻でお話をうかがい、子供をもつ身として、私自身も新たな発見がありました。
スモールビジネスでは、ご夫婦で経営しているケースも多いですし、ビジネスにたとえ関わらなくても、経営リソースが限られる分、心理面での家族のサポート、理解が肝心となります。

とくに小さな子供がいたら、目の前のことに追われて、長期スパンでの家族や仕事のあり方を考える時間をなかなかとれないものです。そのためにも、税理士に限らず第三者のサポートや、社会のさまざまな制度を活用し、ぜひトクする“仕組み化”についても取り組んでいただければと思っています。

今後も、「なかなか夫婦で話し合う機会を作りにくい」という方の御相談も含め、さまざまな方とざっくばらんにコミュニケーションができればと考えています。 ぜひお気軽にお問合せください。

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