「人を雇う」を考える 2
2008年07月07日
2か月少しで、残念ながら退職…
人を雇うことについて、思いを綴った前回のコラムから約4か月。
その後。
彼は残念ながら6月半ばで退職しました。彼のがんばりは、このホームページとリンクしていたブログでも紹介し、数多くの人の応援を頂戴していました。後先考えても、とても残念です。
予想と現実のギャップはどこにあったか
彼を雇い入れた後の顛末について、私の予想通り、もしくは予想以上だったポイントは以下の2点です。
- 前回のコラムにも書きましたが、突出した感じのよさは、クライアントや仕事関係者にも大変好評でした。最後、彼が辞めると言った際に、引き止めるための説得をしてくれた経営者もいたほどでした。
- とにかく素直。言われたこと(怒られたこと)を真摯に受け止め、実行しようとする青年でした。20代前半で珍しいタイプだったと思います(逆に言えば、この素直さが自分を追い詰める結果になったのかもしれませんが・・・)
予想外だったのは、以下のポイントに尽きます。
- 簿記やFPなどの学習に時間がかかった。これまで真剣に勉強をした経験がなかったのでしょう。彼に最適な勉強方法を見つけるのに非常に時間がかかりました。結果的に、本人にとっても大変な負荷となりました。
- 考えて効率的に行動することができない。結果、単純に「勉強をがんばる」=「長時間勉強する」結果になってしまいました。この点を克服するのに時間がかかり、本人も苦しい状況に追い込まれました。
ただ、一般的に見れば時間はかかったものの、2か月で簿記2級,FP3級の合格レベルには達することができました。いままで真剣に勉強するチャンスがなかっただけで、まさに“やればできる”ということを、身をもって実践してくれたと思います。
最終的に決め手となったことは…?
苦しみながらも、素直に頑張ってくれていましたが、最終的に足りなかったものは、以下の点ではないかと考えています。
- 執着心が足りなかった。今回の彼の転職は、彼にとって大きな転機であり、覚悟があったはずだと考えています(転職をして成功し、つき合っている彼女と結婚したいと考えていたようだし…)。
しかし、事務所にやってきた当初から、どうも切迫感が希薄でした。素直なので、とりあえず言われたことは実践しようとしますが、やり方が緩慢。さらに、大事なポイントが必ず抜け落ちているという状態が、2か月間続きました。その理由については、明確な答えは出ていません。ただ、仕事や彼に対する私の思いとは、明らかなギャップがありました。能力はともかく、最終的に退職という結論に至った原因は、ここにあるように感じます。
また、人を雇います!
当初は、彼が退職したら、人を雇うのは辞め、一人でやっていこうと考えていました。しかし、周りの人からの激励を受け、彼の退職翌日、求人会社に連絡を取りました。再度、チャレンジです。
今度は広い市場で、より多くの人を募り、採用活動をスタートします。今度は、どんな人とやっていくことになるか。今回の経験をもとに、じっくり考えて決めていきたいと思います。
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