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五島流・会社設立のススメ PART4「起業直後にもっとも重要なことは?」

2008年02月05日

これまで、会社設立のケースを多々見てきました。動機や経緯はさまざまですが、大まかにいうと以下の4つのパターンに分類できます。

パターン1

  • その道何十年のベテランで年齢は50-60代、1人もしくは少人数。同業態で起業。
  • 取引先は、比較的摩擦を起こさず、勤務していた会社から持って来る。
  • 売上は起業後すぐに安定。その後の伸びは小さい。
  • 借り入れが少ない。税理士の立場としては、もっとも安心できるケース。

パターン2

  • 世代は20代後半から30代前半。営業を得意とする仲間で集まり、起業。
  • 取引先は、勤務していた会社からうまく持ってくる。
  • 事業拡大に関してイケイケで、スピード感がある。急拡大する場合もある。
  • 反面、不安定な面も。借入の増大、売上の伸び悩み、社員の増加などを機につまづくことも多い。

パターン3

  • 生活資金を、ある程度貯蓄。計画を練り、1人で起業。
  • 取引先は新規開拓がメイン。最初、充分な売上が立たない。
  • ビジネスにスピード感はない。比較的堅実に売上を増やしていく。
  • 事業の拡大や借入の増加などに対しては慎重。堅実だが、大儲けもない。

パターン4

  • 設立から資金をかけ、ヒトもモノも万全にし、起業。
  • 取引先は新規開拓が多い。最初、売上が立たない。
  • 縮小を嫌い、撤退などの判断が遅い。
  • 短期間で事業ができなくなる段階に追い込まれることも多い。

パターン4を見てわかるように、「売上が立つかどうか」が、まず事業継続のカギを握っていることがわかります。起業直後で一番重要なものは、何と言っても「売上」です。それには、前の勤務先からある程度の取引先をもってこられるかどうかも大きなポイントとなります。
入ってくるものがなく、出て行くばかりでは、精神的にもきつくなり、思ったような経営ができなくなる場合が多いものです。
たとえば、以前聞いた、国民生活金融公庫の方の話によると、「飲食店で、1年以内で継続できているケースが20%、3年以内で継続できているのが5%」といいます。飲食店の場合、最初にかかるコストが大きい、つまり出て行くものが多いわりに、売上が立つかどうかが未知数という点が挙げられます。
事業を長く継続してくには、営業や宣伝が上手いだけではやっていけません。しかし、そもそも売上がなければ、その後はないのです。決して、多額である必要はありません。最低限、生活費が出るぐらいの売上は最初から確保できるようにしましょう。それが、起業成功の第一歩となるのです。

独立応援シリーズ 五島流・会社設立のススメ

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