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五島流・会社設立のススメ PART1「会社が得か、個人が得か」

2007年11月06日

独立を考えていますか?

毎年、年末から年度末ぐらいにかけてでしょうか。この時期に独立を考える人が多いようです。
独立の際に相談される事項として、「会社にしたほうがいいのか、あるいは個人事業主でやったほうがいいのか」という質問があります。実質的に資本金1円から株式会社を設立できるようになってからは、問われる頻度は減りました。が、ここで迷われる方は多くいらっしゃるようです。

大半の税理士が「会社」を勧める理由

私自身のスタンスはつねに「会社にしたほうがいい」です。収入の目安で聞かれるケースが多いのですが、ざっくりと月収20万円もあれば会社のほうが有利。が、この収入基準は、会社どうこうというより、20万円のメドも立たないのであれば起業自体がリスキーというものです。
実際のところ、こういう質問を受ければ、私だけでなく、大半の税理士は「会社にしたほうがいい」と答えるでしょう。その裏には、ビジネス上の計算もあります。個人より会社にしてもらったほうが、税理士的に仕事になるからです

税金が高い・安いで決めるものではない

私自身も、以前は「税金がこれだけ安くなる」から「会社にしたほうがいい」という提案をしていました。その観点から、問われるケースが多かったこともあります。
が、現在は、税金が安い・高いで、会社にするかどうかを決めるものではないと考えています。

将来を真剣に考えるきっかけに…

昔、長年、個人事業でやっている方に、会社設立を勧めたときの話です。いつものように「税金も安くなるし、いいですよ」というトークで勧めていました。が、どうも先方は乗り気ではない。ビジネスも成り立っており、会社にするうえでの支障はありません。
結局、会社にするのに数年かかりました。
最終的に、その方がおっしゃったのは、会社を作るとなったら「将来のことを真剣に考えるようになった」ということ。毎日、仕事をするうえでは、会社にするも、個人でやるも、とくに変化はないわけです。極端に言えば、名刺が変わり、源泉徴収がなくなる程度の話です。ただ、ビジネスの行く先について、真剣に考えるきっかけになったというのです。

独立する際に本当に考えるべきこと

そこからでしょうか。私も「税金が安くなるから~」という勧め方はしなくなりました。会社でも個人でも、独立する際に大切なのはゴール(目的)です。税金が安いから、あるいは、こちらも仕事になるから「会社にしましょう」というのは出発点が違うと思うのです。「会社にする」となれば、個人でやるよりも、自分の将来や、社会的存在意義をより考えるのではないか。私自身、独立する人に対して、「真剣に考えてほしい」という思いで、会社設立を勧めている部分もあります

ゴールを見据えないと迷いが生じる

現実は「社会にこれを訴えたい、提供したい」と真剣に考えて独立する人は少ないかもしれません。「上司が気に入らない」、あるいは「自分でやればもっと稼げる」といった動機のほうが圧倒的に多いのではないでしょうか。
自分自身も、当初、独立を志した動機は「人に指図されたくない」程度でした。が、実際に独立する際は、「自分が勤めていた事業所」と「自分がこれから始める事業所」の違いはなんだろうと真剣に考えざるをえませんでした。そこにもちろん正解はありません。が、自分なりに(社会的に)「独立する意義」を考えてから独立しないと、後から迷いが生じる恐れがあると考えます。

社会にどう必要とされる人間なのか?

もっと言ってしまえば、会社か個人か、なんて小さな問題でしょう。社会にどう必要とされる(貢献できる)存在になりたいのか。独立する際には、そこをしっかり突き詰めてほしい。そう考えています。

独立応援シリーズ 五島流・会社設立のススメ

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