五島流・会社設立のススメ PART2「会社設立の“常識”のアナ」
2007年12月03日
今回は、会社設立の具体的な話に移ります。世間や自分が“常識”と思っていることにも、意外なアナがあるので注意が必要です。
資本金はいくらにするか
資本金は、会社を始める際の元手です。必ずしも「資本金が多い=大きな会社」というわけではありませんが、会社の規模を示す一つのものさしとなります。
では、いくらにすればいいのか? 法律上はいくらでも構わないわけですが、取引先や事業の方向性に応じて考えるのがおすすめです。例えば、大企業との取引がある、銀行の融資を受けたい、インターネット販売をするので訪問者に安心感を与えたい――そういった場合は、資本金はできるだけ多いほうがいいでしょう。
逆に、取引先に気兼ねする必要がない、融資を受ける予定もないのなら、極端な話、1円でも構いません。
税金に関しては、資本金の額で変わるものがあります。資本金が1000万円未満の場合、消費税は最低でも2期、納税が免除されます。また、法人にすると、都道府県・市区町村税が、赤字でも7万円かかりますが、資本金が1000万円超の場合、最低でも18万円に跳ね上がります。
決算月をいつにするか
大企業の場合、3月決算が多いのはご存知のとおりです。よって、なんとなく3月でないといけないのでは、と考える人もいるようですが、いつでも構いません。月末でなく、月の半ばの9月15日でもいいのです。ひとつ、避けたほうがいいのは、自社もしくは取引先の繁忙期です。繁忙期がある業種の場合、その時期に思わぬ売上がたつことがあります。決算月に、突然利益が大幅に出てしまうような事態は避けたいものです。
株主・役員をどうするか
友人同士で会社を始め、みんなが平等に役員、株主になる――そんなケースも見受けられます。しかし、私は、一人役員、一人株主を強く勧めています。
私見ではありますが、複数で役員になると、物別れに終わることが多いと考えます。同じ会社で働いてきた仲間同士でも、会社員と会社を経営する立場では、話が異なります。会社経営をスムーズに行なうには、きちんとした上下関係が必要です。最終的な決定権を持つ人間は一人のほうが、物事は進みやすいのです。
会社設立の手続きを自分でやるか、専門家に頼むか
会社設立は以前よりずいぶんと簡単になりました。自分で作ることも可能です。
では、自分でしたほうがいいのか? というと、私はそうは考えません。「勉強のために自分でやる」という人もいます。もちろん知識として持っておくのは悪いことではありません。が、2回も3回もやるものではありませんので、「勉強のために」というのはあまり意味がないように思います。
また、これも私見ですが、「自分で作る」という人は、一人で何でも抱え込みがちなタイプが多いようです。会社として成長し、人も雇っていくなら、任せられることは任せるクセをつけることも大事です。
私は司法書士にお願いすることをおすすめしています。司法書士とパイプを作っておけば、会社設立後、簡単な法律問題を相談することも可能です。
以上、4つのポイントについて解説しました。
再三言っていますが、前提となるのは会社(自分)の目的を明らかにし、将来像をイメージすることです。そうすれば、目的に合った「会社のカタチ」も自ずと見えてくるはずです。
独立応援シリーズ 五島流・会社設立のススメ
- サービス紹介 – 新規開業のお手伝い
- PART1「会社が得か、個人が得か」 (2007年11月06日)
- PART2「会社設立の“常識”のアナ」 (2007年12月03日)
- PART3「士業とどうつき合うか」 (2008年01月07日)
- PART4「起業直後にもっとも重要なことは?」 (2008年02月05日)