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五島流・会社設立のススメ PART3「士業とどうつき合うか」

2008年01月07日

会社を設立すると、弁護士や司法書士、税理士といった、いわゆる士業とのつき合いが始まるケースも多いでしょう。ただ、最初に断っておくと、会社を作ったからといって、必ずしも士業を雇わなければならないことはありません。売上げの見通しもまったく立っていないうちから、毎月、(高い)顧問料を払うのは道理に合いません。
そのことを踏まえた上で、士業とどうつき合うか。各士業の仕事の棲み分けや、使いこなし方などを、独断と偏見でバッサリ切ってみたいと思います。

○弁護士 士業の“究極的存在”。が、コストは高い

関連する業務内容――法律相談、破産時の手続き、係争、契約書チェック、取立てなど
弁護士は、最終的に他の士業の業務を包括する意味で、いわゆる“士業の究極”的存在といえます。ただし、顧問料は高いです。一定時間を超えると、時間単位でお金をとられたりもします。“法の番人”という位置づけから、いい意味でも悪い意味でも“正論”に終始する傾向もあるようです。

弁護士というと、なんとなく“正義の味方”というイメージがあります。が、弁護士といえども商売ですから、正義感だけでなくビジネス上の計算で動くこともありえます。たとえば、自己破産に迫られている人に対し、比較的、即破産を推奨する弁護士も多いようです。その裏には、破産した場合、弁護士が管財人になり、それなりの報酬が得ることになるという事実もあるわけです。レアなケースかもしれませんが、自己破産をするお金がない経営者に対し、その分を銀行から借りて来るよう促すといった話も聞いたことがあります。

ひとつ言えることは、中小企業が顧問弁護士を雇う場合には、その目的と「費用対効果」を考えること。見栄を張って雇う必要はないでしょう。

○司法書士 費用を考えると、弁護士より相談しやすいかも…

依頼可能な仕事内容――登記関連全般、法律相談
法律相談というと、すぐ弁護士と考えがちですが、じつは司法書士も法律に精通しています。顧問弁護士を雇うより、いつでも相談できるような司法書士がひとりいたほうが、日常的には重宝するかもしれません。一部の地域では、破産処理の依頼も可能。費用も弁護士にくらべればかなり安価だと聞きます。
以前のコラムでも書きましたが、会社登記などは、自分でやるより、司法書士に頼んでコネクションを作っておくほうがいいのでは。後々、簡単な法律の相談などを頼むことも可能です。弁護士はちょっと高い……と感じている人には、司法書士とのつき合いをおすすめします。

○社会保険労務士 10人以上従業員を抱えているような企業なら便利な存在

依頼可能な仕事内容――社会保険、助成金などの手続き、給与計算、就業規則などの労務関係
実務的には給料計算がメイン。10人以上の従業員を抱えており、自前で経理作業ができないような中小企業なら、社労士がいると便利です。管理部門がなく、社長が多忙なため社会保険の手続きを依頼したいというケースもよくあります。また、以前より、何かと労働問題も頻発しています。ゆくゆく従業員を多く抱えるような企業なら、必要度は高いと思います。

○会計士 上場を目指す会社ならば必要となるケースも

依頼可能な仕事内容――決算、税務申告、税務相談
弁護士の次にメジャーな資格といえます。ただし、世にある「公認会計士事務所(会計事務所)」の大半は税理士業で成り立っています。「監査法人」と名乗っていない限りは、会計士でも税理士でも、行なっている業務に大差はありません。
非上場の中小企業が、公認会計士とつき合うメリットはとくにないと思います。ただし、上場を目指す企業であれば、上場に関わった経験をもつ公認会計士とつき合うのは役に立つかと思います。

○税理士 中小企業にとっての“なんでも屋”的存在

依頼可能な仕事内容――決算、税務申告、税務相談
私自身もそうなのですが、会計士と間違われることが多く、一般的にはマイナー資格といえます。だが、実務的には、中小企業からの需要は一番高いようです。相談事項は、税務、経営、資金繰りといった実務的なことから、プライベートな相談まで、“なんでも屋”的な部分もあります。
以前はいわゆる「記帳屋」として重要なポジションを占めていました。パソコンの普及によって、産業的にしぼむと思いきや、しぶとく生き残っています。
とはいっても、ブローカー業を副業としている税理士も多いようです。生保、リース、不動産関連の営業マンにとって、税理士を通しての営業はかなりラクなため、引き合いが後を絶ちません。私自身は嫌いなので、やっていません(これは当事務所の数少ないウリでもあります)。

「会社を設立したら、税理士を探すべき」という考えを持っている方が多いようです。ありがたいことではありますが、顧問税理士を雇うのは、売上げの見通しが立ってからで遅くないのでは? それまでは、会計ソフトを買って、税務署で申告書の書き方を教わるので十分かと思います(もちろん、税金が安くなる方法は教えてもらえません)。ただ、実務的なことだけでなく、冒頭にも書いたように“相談相手”として税理士を活用するならば、売上げ如何にこだわる必要はないかもしれません。

以上、士業に関する五島的見解を述べてきました。あくまでも私見ですので、参考程度にしていただければと思います。
最後に大切なことをひとつ。士業といっても人間ですから、個人差があります。つまり、相性は大事です。親身になって自分の会社をサポートしてくれる人なのかどうか。お金を払って雇うわけですから、しっかりと“お見合い”をしてから、決定することをオススメします。

独立応援シリーズ 五島流・会社設立のススメ

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