五島税理士事務所のDXを推進するデジタルネイティブ・鈴木涼平君の実態に迫る!(前編)
2025年04月07日
今、当事務所では若者採用や若手起業家支援に力を入れています。その中でクライアント企業や従業員だけでなく、様々な形で業務に関わってくれる若者も増えてきました。
その1人が鈴木涼平君(RSfact株式会社代表取締役 25歳)です。ITをフックに、企業の業務効率化と競争力向上をミッションに名古屋で起業。現在、東京と名古屋の二拠点生活で、当事務所とクライアント企業のデジタル化を支援してくれています。
今回のコラムの前編では、デジタルネイティブの鈴木君が誕生した、ちょっと突飛(?)な幼少時代と起業の経緯について紹介します。
経営者だった祖父の影響でパソコンと複式簿記を幼少時に学ぶ
五島 鈴木君がウチの事務所に初めて来たのが2024年の1月だったっけ。改めて聞くけど、鈴木君がITとかパソコンに目覚めたきっかけって何だったの?
鈴木 経営者だった祖父の影響ですね。祖父から学んだことは大きく2つあって、1つが、これからはITの時代だからパソコンを使えるようになっておくようにということでした。幼稚園の時にWindows98をお下がりでもらい、小学校入学と同時にパソコンを買ってもらって本格的に触るようになりました。
五島 幼稚園で98かー。パソコンで何やってたの?
鈴木 買い物リストや、やることリストをExcelで作っていました。遊び感覚ですが、周りの大人たちが驚いてほめてくれるので、得意になってのめり込んでいきました。
もう1つが複式簿記です。何をやるにも会計の考え方は必須だということで、小遣い帳を複式簿記でつけたら、お小遣いを貰えるルールでした。パソコンに会計ソフトを入れて、輪ゴム鉄砲を買ったら備品・消耗品費とかつけて、みたいな感じです。
小学校高学年で簡単なコードを書くようになって、中学校に入ると学校の授業中に寝て、家に帰ると10時間くらいはパソコンに没頭してましたね。
五島 学校の勉強はしてなかったの?
鈴木 学校の勉強をやる意味がわからなくて、しようと思ってもできなかったというのが正直なところです(苦笑)。数学は得意だったので、テストの点数はそこそこ取って、高校は一応進学校と呼ばれるところに進学しました。大学も国立の名古屋工業大学に進学したので、まあ道は踏み外さなかった感じですね。
五島 親御さんの理解がすごいな……。じゃあ、小さいころから起業家かITの仕事を目指していたのかな。
鈴木 いえ、実は大学に入った時には工学部で素材開発関連の勉強をしていて、物理の研究者になってノーベル物理学賞を取るのが目標でした。ITは自分でできるから、学ぶなら別の事をやろうと思って。
五島 ノーベル賞!?
鈴木 でもコロナで授業が全部オンラインになってしまって、授業は2倍速で聞いて、ノートも自動でスクリーンショットでまとめられるようにしていたのでヒマだったんです。空いた時間で高校時代からお小遣い程度でやっていたプログラミングの仕事をやるようになったら、やっぱりそっちのほうがおもしろくなってしまって。大学2年の半ばで休学し、2022年1月に今の会社を作りました。
税理士業界について学ぼうと弟子入り!?を祈願
五島 当初は税理士業務の支援ビジネスを構想してたんだっけ?
鈴木 当時はそうでした。この業界で生成AIのビジネスを始めるために、まずは税理士業界の実態を知ろうと、異業種交流会などを活用して100人以上の税理士に会って話を聞きました。ツテを辿って五島さんに会ったのもその一環だったんですが、これまで会った税理士と比較して明らかに異色でした。
五島 異色(苦笑)。
鈴木 同じ税理士でも、いろんな仕事のスタイルがあると思いますが、五島さんは
「税理士業務自体に価値はない。お客さんには売上を作ることに集中してもらって、わずらわしいことはこっちでやってあげる。領収書ペタペタ貼ってね、とかもってのほか。」
と。ならば、いかに生産性高く安価な顧問料でやるかに注力しているという話を聞いて、こんなことを言い切る税理士さんは初めてでした。
五島 税理士として税理士業務はもちろんしっかりやるけれど、それ自体が目的ではない。クライアント企業の売上を上げ、利益を増やすことをゴールとするべきという視点は大事だよね。
鈴木 一方で、事務所のサービス内容と税理士報酬を見ると、料金が安すぎて、どう見ても割に合うはずがないというのが正直な感触でした。けれど、これまで見てきたどの事務所より利益を上げている。
生産性のレベルの違いを目の当たりにして、当初は税理士業務の効率化をビジネスとして構想していたので、学ぶならばここしかないな、と。会って2週間後には「弟子入りさせてください」というメールを送りました。
五島税理士事務所のIT担当として、東京と名古屋の二拠点生活をスタート
五島 「弟子入り!? なんだそりゃ?」と思ったけど、スタッフが来る前に自分の業務を済まそうと早朝から仕事をしてると、鈴木君も朝7時位には事務所に来てたよね。仕事をしていると、隣にイスを持ってきて、「よろしくお願いします」って言ってくる。「何が『よろしくお願いします』なんだ?」って感じなんだけど、色々と勝手に話していると、全部録音している。やっぱりヘンなヤツだなあ、と(笑)。
鈴木 いかに税理士業務の生産性の向上を実現しているのかを吸収することが目的だったので、1か月位はインプットの日々でした。
五島 名古屋の実家から来て、カプセルホテル住まいや、寝袋持参で事務所の会議室用の部屋に泊まってたんだよね。2か月位経ったところで、「近くに家を借りたらどう?」って言ったら、即決で部屋を決めてきたのには驚いた。
鈴木 二拠点生活で事務所のデジタル推進、クライアント企業数社のデジタル支援の仕事もいただくようになり、東京に来る機会が定期的にできたことは自分の会社の仕事にもプラスになっています。
後編では
・中小企業におけるDX&AI活用について
・鈴木くんのミッション
について深掘りしていきます。
ぜひお楽しみに。