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[番外編]確定申告Q&A特集

「副収入の確定申告の方法は?」「経費はどこまで認められるのか?」「青色申告と白色申告の違いは?」などなど、よく寄せられる疑問点について解説しています。また、2年前の売上が1,000万円を超えた人は消費税の申告も必要です。申告作業の参考にしてください。

※掲載内容は2014年2月に更新しました。

▼2か所以外から給与を得ている人、副業をしている人の確定申告について▼経費にできるもの、できないものについて
▼売上の締めについて▼青色申告のおトク度について▼消費税の申告について

2か所以外から給与を得ている人、副業をしている人の確定申告について

下記の様な場合に確定申告は必要でしょうか?

平日はサラリーマンとして働き、土日に実家の事業を手伝っています。
会社からの給料のほか、実家より給料を月5万円もらっていますが、確定申告は必要でしょうか?

必要です。

1か所だけから給料をもらっている人は、確定申告は必要ありません。が、2か所以上から給料をもらっている場合、確定申告が必要になります。

下記の様な場合に確定申告は必要でしょうか?

平日サラリーマンとして働き、たまに原稿を書いて副収入80万円を得ています。
原稿にかかる経費は30万円です。確定申告は必要でしょうか?

収入-経費=20万円を超えたら必要。

80万円から経費30万円を引いた額が50万円。差し引き額が20万円を超えているので確定申告は必要です。所得が20万円を超えたら確定申告は必要になります。ただし、この場合、10%源泉されているので、20万円以下でも確定申告すれば還付される場合もあります。損をしないためには試算をしたほうがいいでしょう。

下記の様な場合に税金を戻すことができますか?

平日サラリーマンとして働いて、ネット通販で副収入20万円を得ています。
ネット通販にかかる経費は50万円で30万円の赤字になりました。
確定申告をすればこの赤字を給与から引いて税金を戻すことができますか。

事業所得か雑所得かで異なる。

この場合、ネット通販が事業所得になるか、雑所得になるかで扱いが変わってきます。ちなみに事業所得ならば給与から赤字を差し引けますが、雑所得の場合、給与から赤字を差し引くことはできません。

事業所得と雑所得の違いは、一般的に、継続して事業を行なう意志があるかどうか、で判断されます。意志のあるなしの判断材料としては、例えば事務所を構えている、看板を上げている、収入のメインが事業である、などが考えられます。このネット通販のケースの場合、20万円は事業の収入とは考えにくいため雑所得になるでしょう。目安としては、300万円前後の収入が得られる程度の規模(品揃えなど)で運営しているなら事業所得での申告も可能といえます。

サラリーマンをしていて、副収入があります。確定申告をすると、会社にバレないでしょうか?

住民税について「普通徴収」を選択すればOK

会社にバレないためには、副収入にかかる住民税について、給与から天引きされないようにすることです。申告書に「給与所得以外の住民税の徴収方法」を選択する欄があります。そこの特別徴収(給与から差引き)と普通徴収(自分で納付)のうち、普通徴収に○をつけておけば、本人に納税通知書が送られるので、会社にバレずにすみます。

経費にできるもの、できないものについて

経費にできる支出とは?

仕事に必要な支出はすべて経費になります。

経費とは、売上を上げるために必要となる支出のこと。よって、基本的には仕事に必要な支出はすべて経費になります。

例)
連絡場所としての賃貸の自宅・・・地代家賃
仕事関係者との打合せ・・・会議費
仕事関係者の接待、情報交換・・・接待費
HPの運営・・・広告宣伝費
仕事に必要な資料・・・新聞図書費
仕事に必要な携帯電話代・・・通信費
仕事で使うPC・・・消耗品費(値段による)

自宅などを仕事とプライベートの両方で利用する場合、合理的な按分はどう決める?

部屋数や労働時間によって按分します。

何かしらの基準を設けて按分します。

例)自宅が賃貸の場合の家賃、光熱費の按分
・部屋数が2でそのうちの1部屋が仕事部屋だったら1/2を経費とする
・仕事が1日8時間働くので8時間/24時間で1/3を経費とする

車を3月に200万円で購入しました。この200万円を経費とすることはできますか?

減価償却が必要になります。

購入した年に200万円全額を経費にすることはできません。減価償却というかたちで数年にわたって経費にしていきます。くわしい方法は、以下を参考にしてください。ちなみに個人の場合、通常、定額法を適用します。(定率法を使うためには届出が必要)

(減価償却の方法)
一定の算式により減価償却費を費用に計上する。1円まで償却できる。
<定額法>
取得価額×償却率
<定率法>
期首帳簿価額×償却率

※ちなみに平成19年3月31日以前に購入した場合
<定額法>
取得価額×0.9×償却率

中古(3年落ち)で車を購入しました。耐用年数は新車と同じにしなければいけないのでしょうか?

新車の場合と異なります。

中古の場合、下記の式で計算した年数になります
耐用年数を超えたもの・・・耐用年数×0.2
耐用年数を超えてないもの・・・耐用年数-経過年数×0.8
ただし計算上2年未満の場合、2年とし、端数は切捨てとなります。
今回の質問を例にとると、新車の耐用年数は6年。
よって、6年-3年×0.8=3.6年 → 3年となります。

昨年5月にパソコンを25万円で買いました。これも減価償却しなくてはいけないのですか?

青色申告ならば、全額経費として計上できます。

白色申告の場合、10万円以上の物品は減価償却が必要になります。ただし、あなたが青色申告をしている場合、購入金額を全額経費として計上できます。青色申告をしているものが、平成18年4月1日から平成26年3月31日までの期間内に30万円未満の資産を購入した場合は、減価償却をせずに、購入金額全額をその年の経費とすることができるようになりました(ただし合計300万円まで)

売上の締めについて

下記の場合売上は12月でしょうか?1月でしょうか?

飲食店を経営しています。12月、10万円の飲食代をカードで支払を受けました。
入金は1月。この場合売上は12月でしょうか?1月でしょうか?

12月の売上として計上します

食事というサービスを提供したのは12月なので12月の売上として計上します。売上や仕入などの計上は、そのものの引渡しやサービスが完了した時点で計上します。たとえ入金や支払がなくても、売上や仕入に計上しなくてはいけません(請求書の発行時期も関係ありません)。

青色申告のおトク度について

収入300万円で経費100万円の場合、青色申告をした場合としない場合の違いは?

青色申告のほうが10万円程度は安くなります。

青色申告の場合、最大65万円の青色申告特別控除が受けられます。よって、
・青色申告の場合の所得 300万円-100万円-65万円=135万円
・白色申告の場合の所得 300万円-100万円=200万円
単純計算ですが、最低でも10万円程度は青色申告のほうが税金が安くなります。
さらに国民健康保険料(住民税をもとに計算される場合が多い)も含めると、もう少し安くなるでしょう

下記の場合に青色申告しているときとしていないときの違いは?

一昨年が1000万円の赤字、昨年が500万円の黒字、今年は600万円の黒字の場合、
青色申告しているときとしていないときの違いは?

青色申告のほうが節税効果が高くなります。

・青色申告の場合の所得
昨年 △1000万円+500万円=△500万円→0円
今年 △500+600万円=100万円
・白色申告の場合の所得
昨年 500万円
今年 600万円
青色申告の場合、赤字を3年間繰り越すことができます。開業当時は特に赤字になりやすいので開業時に青色申告にすると節税額が大きくなります。

青色申告をするには具体的にどうすればいいのか

事前の届出と帳簿付けが必要。

基本的には届出と帳簿付けの2点が必須作業となります。

・届出について
「青色申告承認申請書」を税務署に提出します。
これから開業する場合・・・開業から2ヶ月以内
例)10月3日開業の場合12月2日まで
すでに開業している場合・・・青色申告の承認を受けようとする年の3月15日まで
例)平成25年から青色申告をしたい場合・・・平成25年3月15日まで

・帳簿付け市販されている会計ソフトを使って集計すれば意外に簡単。会計知識がなくてもOKです。青色申告をすれば65万円の控除が認められます(最低でも10万円程度の節税が見込めます)ので、3万円程度の会計ソフトを買ったとしても、1年で元が取れる計算となります。

消費税の申告について

消費税はもらった5%を納めるのですか?

売上にかかる消費税から仕入などで払った消費税を控除した額を納付

消費税の場合、売上の5%をお客さんからもらっていますが、こちら側も仕入やその他の経費の多く場合、商品の5%分消費税を払っています。そのため基本的な計算としては売上にかかる消費税から、仕入や経費で払った消費税を控除した額を税務署に納めることになります。

昨年(平成25)の売上が1,000万円を超えました。消費税はいつ払わなければいけないのでしょうか?

平成23年6月の消費税法改正により以下の様になりました。

平成23年までは売上が1,000万円超の場合、翌々年に納税義務が発生しておました。

例)平成24年の売上が1500万円→平成25年に納税義務有り

平成24年よりは平成23年6月の消費税法改正により上記に加え、下記の2つの要件を満たす場合、平成26年(翌年)より消費税の納税義務が発生するように変わりました。

・平成25年1月1日~6月30日までに課税売上が1,000万円超の場合
・平成25年1月1日~6月30日までの給与総額が1,000万円超の場合

例)
平成25年1月1日~6月30日までの売上が1,500万円で、平成25年1月1日~6月30日の給与総額が800万円の場合
→平成26年の納税義務は発生せず、平成27年に納税義務が発生

※納税義務の判定は1年ごとにしていきます。

売上にかかる消費税から控除できる仕入や経費にかかる消費税って、どんなものがありますか?

以下のような項目があります。

仕入や経費にかかる消費税を仕入控除税額といいます。ここでは、仕入控除に該当しないものを挙げていきます。
・給料(賞与、アルバイトを含む)
・従業員の社会保険料、労働保険料
・収入印紙、事業税、固定資産税
・損害保険料
・会費
・香典、ご祝儀
・海外で使う経費
 最低限、上記を仕入れ控除に該当しないものとしておさえておけば大丈夫でしょう。

簡易課税って何ですか?

一定の率で消費税を計算できる方法です。

これまでの設問にて、消費税の計算法を説明しました。が、計算が複雑で難しいため、一定の売上以下の事業者が簡単に計算できるよう、簡易課税制度があります。
計算方法 売上にかかる消費税-売上にかかる消費税×みなし仕入率
卸売業  ・・・90%
小売業  ・・・80%
製造業  ・・・70%
飲食店など・・・60%
サービス業・・・50%
例)3,000万円(税抜き)の売上の精肉店の場合、150万円-150万円×80%=30万円ということになります。

簡易課税が受けられる一定の売上とは?

5,000万円以下になります。

簡易課税が受けられる売上も平成15年度に改正になり、5,000万円以下になりました。もちろん基準は納税義務のときと同じ2年前の売上です。

どうすれば簡易課税を適用できるのですか?

届出が必要です。

簡易課税を適用したい年の前日までに「簡易課税制度選択届出書」を税務署に提出しなければなりません。よって、平成26年から消費税の納税義務者になる場合で簡易課税を利用したい人は、平成25年の12月31日までに提出しなければなりません。

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