まったく新しい「経理代行サービス」をスタート
2010年07月20日
「ワンストップサービス」の一環としてスタート
今年3月にアップしたコラムで中小企業向け「ワンストップサービス」のあり方について書きました。そのサービスの一環として、6月から「経理代行サービス」をスタートしています。
これは、記帳代行から振込作業まで、経理にまつわる細々とした事務作業を一括して請け負うもの。手間ヒマを省くだけでなく、振込手数料の大幅コストダウンをも実現しています。
従来の「記帳代行サービス」のニーズが高いワケ
従来、税理士事務所が提供する経理サービスというと、クライアントから領収書などを預かり、試算表、決算書などを作成する「記帳代行サービス」がメインでした。パソコンが普及し、以前より決算書作成の手間が省けるようになった現在でも、多くの需要があります。
その理由として、小規模の会社で経理担当者を雇い入れるケースが少ないことが挙げられます。フルタイムで経理担当者を雇用しても、常時仕事があるわけではありませんし、それ以前に、経理を任せられる信用力のある人物がなかなか見つからないのが現状です。
そこで、経営者自身が経理業務をも兼任する場合が多いわけですが、実際のところ、数字が苦手な方も多い。さらには経理業務に時間をとられることで、本業に集中できないという悩みもよく寄せられます。そこで、多くの会計事務所にとって、記帳代行サービスは主たるサービスのひとつとなっているわけです。
「振込作業」の煩わしさにいかに対応するか
ただ、私自身はつねづね、現状の記帳代行サービスには足りないところがあると考えていました。それは経理業務の大仕事のひとつである「振込作業」への対応です。ATMに行列し、数多くの振込作業をしている経営者らしき人を見かけることがありますが、意外にも手間ヒマのかかる仕事のひとつといえます。
なぜ、これまで振込作業を含めた経理代行サービスがなかったのか。
それは、クライアントの「現金」に直接タッチするリスクがあるからです。何か問題が起こったときのことを想定すると、私自身もそうですが、会計事務所がクライアントの「現金」に触ることを回避しようとするのは当然のことといえます。
作業の手間ヒマ&コストの削減も実現
現金を触らないで振込代行を実現できないものか。
数年前からいろいろ考え、リサーチをしていたところ、非常にユニークなシステム会社と出会いました。一言でいうと「認証システムによる振込委託」というサービスで、当事務所で振込データを作成し、クライアント側でそれを認証すると、振込が実行されるというもの。これなら現金を触らずに、振込データの入力という煩わしさも解消できます。
早速、その会社に提携を申し込んだところ、振込手数料の削減も可能になることがわかりました。ネット専業を除いた通常の銀行の場合、他行振込なら3万円以上で630~735円の手数料がかかるのが一般的ですが、このシステムなら、一律357円でOKです。年間にすると、かなりのコストダウンにつながるのではないでしょうか。
手間ヒマだけでなく、コスト削減も実現する一石二鳥の経理代行サービス。本業に専念したいという経営者にとって、少しでもお力になれればと考えています。