中小企業向け「ワンストップサービス」のあり方
2010年03月11日
本当に必要なサービスだけを提供する
具体的なサービス内容を考える前に、私が、現状、クライアントにどのような形で税理士以外の士業サービスを提供しているかというと、「案件が発生した都度、司法書士、社会保険労務士を紹介。ただし、報酬がクライアントの経費増につながるため、紹介料はもらわない」というスタイルでやっています。
税理士業界全体では、私同様、「自身のネットワークでその都度紹介している」という場合が多いのではないでしょうか(それなりの規模であれば、司法書士、社労士なども雇い入れている)。ただし、その場合の大半は、「紹介料などの報酬が発生。イコール間接的にクライアントから料金をもらっている」というのが現状かと思われます。
こうした現状を踏まえ、中小企業が恒常的に必要なサービスを総合的、かつ格安でいかに提供するかを考えていきたいと思います。では、何が必要かというと…
1.営業・広告
今後、重要性が増すのはこの2つのサービス。もはや、いい製品&サービスを提供していればOKという時代ではなく、特に技術系の会社の場合、その技術(製品・サービス)を世に広めてくれる営業、広告が必須。だが、専門の担当を雇い入れるまでの余裕がある会社は少ない。
2.経理代行
創業時は、社長自身が経理作業を行なうことが多い。その負担軽減のため、記帳代行にとどまらない振込も含めた経理代行。記帳代行だけのサービスは数多くあるが、振り込みも含めたサービスとなると少ない。
3.社労士
近年、不況の影響か、労働問題で従業員とのトラブルが発生するケースを多く聞く。一旦、トラブルになると、従業員側に有利に物事が運ぶことが多いため、トラブルを未然に防ぐもしくは、トラブル発生時に味方となってもらえる社会保険労務士の重要性が増している。
4.税理士
社長が本業の傍ら、会社の数字すべてを把握するのは難しい。数字を踏まえた経営相談にも応じられるのも強み。
5.事務所
現状、提供されているサービスは、インターネット環境や会議室などの提供、電話代行などの秘書的なサービスが主だろう。上記4つを整備できた段階で、事務所スペースの提供も考えていきたい。
信頼感と価格メリット追求
5つのサービスを通じたアピールポイントとしては、「信頼感」と「安さ」を追求したいと考えています。まず、信頼感ということでいえば、昨今流行りのビジネスマッチングでは品質の保証までは期待できません。が、会社(クライアント)の事情を知っている私が責任を持ってサービスを提供すれば、ミスマッチを防ぐことができ、クライアントは安心してサービスを利用できるはずです。
次に価格メリットの追及ということでは、サービス自体の担い手として私自身のクライアント、および専業主婦のパワーを活用したいと考えています。クライアントについてはよく知った関係でもあるので信頼ができます。また、本業の余剰時間を活用してもらうことで、多少なりとも収益に貢献したいという思いもあります。
専業主婦については、おおむね真面目な方が多く、じつは仕事をしたいという強い意欲をもった方が多い。自宅で仕事をできる環境を整えることで、空いている時間を仕事に充てていただくことを考えています。こうした優秀なサービスの担い手に空き時間を活用してもらうことで、サービス全体としては質をキープしつつ、コスト抑制を実現していきたいと思います。
その他の課題としては、値段設定と仕組み、業務時間をどれだけ短くできるか、情報のセキュリティーなどが挙げられます。まずは、経理代行、社労士、広告については今年中にはサービススタートにこぎつけたいと考えています。