なぜあなたは「忙しい」のか? – 後編 –
2007年05月15日
トラブルを寄せ付けやすいのは?
いつも「思わぬトラブル」で時間を食われるという人もいます。しかし私のクライアントを見ていて思うのは、トラブルに巻き込まれる人は、大抵、過去に同じような経験をしています。つまり、「思わぬ~」といっても事前に予測できるケースが大半なのです。トラブルを寄せ付けやすい人は、以下の2点について考えてみてください。
1. どの人(会社)と仕事をしたときに、トラブルが起きやすいか。
取引先、仕事で関わっている人を見回してください。“トラブルメーカー”、あるいはそうなりやすいタイプは決まっているはずです。本来なら、トラブルメーカーとは関わらないのが一番。が、そうもいかない場合は、事前に紙面でしつこく確認する、自分が関わる範囲を限定するなどで、火の粉がふりかかるのを回避するべきです。
2. どういう仕事の引き受け方をしたときに、トラブルが起きやすいか。
「なんとなくイヤな予感がしたんだけど…」。トラブルが発生した後で、そう後悔することはありませんか。つまり、大抵のトラブルは、仕事を引き受けた時点、あるいはスタートした時点で“予感”があるものです。どういう条件が重なったときに、トラブルの種となりやすいのか思い返し、その防御策を考えてみましょう。
効率アップ=悪と考える人たちへ
最後に。「効率」を忌み嫌う人について考えてみたいと思います。デザインや編集など、クリエイティブ系の仕事の人に多く見受けられます。いわく「自分たちの仕事は効率化できるような類のものじゃない」、と。たしかに、1年に1冊どころか、数年掛けてやっと1冊の本を書き上げる寡作の作家も存在します。創作活動と効率性は相容れないもの、という意見もわからないではありません。
もちろん、1冊の本の印税でずっと食えるような人、つまり確固たる経営基盤を築いている人はいいでしょう。問題なのは、ただ来る仕事をこなすだけで精一杯。新たな取引先を開拓することもなく、自分の強みも発見できていない人たちです。創作活動に関わっているといっても、ルーティンワークに陥っているのと状況はなんら変わりません。若い業界ならば、時代についていけず、年を経るごとに仕事が減少する。あるいは、体力の減退で量をこなせなくなり、仕事が自然消滅する。そういった壁にぶち当たることは目に見えています。
仕事のやりがいもアップする
どんな業種、職種に限らず、事業を継続していくためには、効率アップは欠かせない。これが私の意見です。違う言葉で言い換えれば、仕事にメリハリをつけるということです。単純な事務作業は、できるだけ無駄を省いて効率的にやる。その分、クライアントとの面談時間は、なるべく長く割き、話をよく聞くようにする――私自身が心がけている効率策です。効率を上げることで、自分の得意な分野に力を入れることができ、やりがいもアップします。
口を開けば「忙しい、忙しい」が口癖になっている方。いまやっている仕事は、本当に重要なものなのでしょうか。立ち止まって見直すクセをつけるところから、ぜひスタートしてみてください。