なぜあなたは「忙しい」のか? – 前編 –
2007年05月15日
9割の会社が消滅する
10年間で1割――これは企業が存続する割合を指します。一般的に言われるのが、10年を経て、生き残る企業はせいぜい全体の1割。残り9割は消滅の運命をたどるというわけです。企業社会における生存競争はかくも厳しいのです。
そのなかでも、ヒト、モノ、カネ、すべての経営資源が乏しい中小企業は経営基盤が脆弱。取引先1社の損失が命取りになる可能性があります。よって、日々、経営基盤を強くするための努力が欠かせません。
しかし、現実はどうでしょうか。大半の中小企業の経営者は、会社においてひとり何役もこなさなければなりません。日々の仕事、ルーティンワークをこなすだけで精一杯という人が多いでしょう。新しい顧客を開拓する、基幹となる事業を確立する、自社しかない強みを伸ばしていく――経営基盤を強固なものにするための取り組みを実施できているか。そうでない人が大半かもしれません。
効率が上がらない3つの原因
「時間がなくてムリ…」と言っていては、ジリ貧です。「現状うまく行っているから大丈夫」という人でも、遅かれ早かれ消滅組の9割に入ることは必至でしょう。
負担を軽減するために、人を雇うこともままならない。ならば、残された道は「日常の行動の効率を上げる」ことです。経営資源が乏しく、かつ経営基盤が弱い中小企業にとって、効率を上げる=生き残る術のひとつなのです。
「効率の重要性はわかっている。でもうまくいかない」。そんな人は、何が効率アップの障壁になっているのでしょうか。代表的な3つの要因を挙げてみましょう。
1. 過去の慣習、形骸化した業務にとらわれている。
例えば伝票。以前なら、伝票を起こす作業は必須でした。しかし、いまやパソコンがある時代。必ずしも必要な作業でないのに、慣習として続けている会社もかなりあるようです。私の顧客には、領収書から、直接パソコンに入力するよう勧めています。
2. 経営者がすべての業務を背負い込む
どんな単純作業でも自分がやらねば気がすまない人がいます。しかし、コストを考えると非常に無駄。本当に自分しかできない業務なのか、検討してみてください。権限委譲をすることで、従業員のモチベーションもアップ。そんな副産物もついてくるかもしれません。
3. 経営者がワーカホリックタイプ
「忙しい」ことが何よりも好きという経営者がいます。必要な仕事ならいいですが、意味なく会議や打ち合わせを実施。深夜まで従業員をつき合わせるようなことはしていないでしょうか。本当にできる社員は嫌気がさし、辞めていくはず。残るのは、社長の右に倣えのイエスマンばかりという結果になります。
いかがでしょう。上記3点に心当たりはないでしょうか。