「検証」するクセをつける – 前編 –
2007年03月26日
誤算はつねにつきまとうもの
「広告を出したのに、思ったほど集客効果が上がっていない」、「人員を増やしたら、作業効率が逆にダウン」――事業において、誤算はつねにつきまとうものです。前回のコラムでは、仮説力の大切さを解説しました。今回は、「こうやったら、うまくいくのではないか」=「仮説」を見直す、「検証」作業について書いてみたいと思います。
検証をしなければ同じ過ちをくり返すだけ
検証とは、いわゆる「PLAN→DO→CHECK→ACTION」のチェック部分です。仮説力をもって立てた事業計画がうまくいっているか、いないか。過程と結果を見直す作業です。これは、継続を前提とする企業経営において、非常に大切なことです。検証をしないと、連続性が失われます。連続性が失われると最終的に経営効率もダウンします。
わかりやすく言えば、検証をするとしないのとでは、しないほうが同じ過ちをくり返す可能性が高くなります。成功した場合でも、なぜ成功したのかを理解しなければ、次の成功にはおぼつきません。
特に中小企業の場合、日々の業務に追われ、計画→実行までたどりつければ合格。検証まで手が回らないというケースが多いようです。しかし、「たまたまうまくいった(うまくいかなかった)」をくり返しているだけでは、事業の成長・拡大はのぞめないのです。
感情を排し、事実を見つめる
では、検証を行なううえでのコツを解説していきます。
大事なのは、言い訳をせずに客観的に実態を見ること。感情を排し、できたこと&できていなかったこと、の事実を積み上げていきましょう。
自分の経験を例に挙げてみます。4年前、私は「お金にまつわる知恵袋」というホームページを作成しました。そのときの狙いは、以下の通り。
税理士のクライアント開拓は、口コミ要素が高い
↓
現状、クライアントの数が少ない。口コミ効果も期待できない。
↓
クライアントが増えない。いったん税理士契約をしたクライアントは、多少の不満があっても、税理士をなかなか変えない傾向がある。
ターゲットは、会社を設立したばかりの人、あるいは設立しようとしている人。
クライアント以外で、口コミを広げる方法はないものか…。そこで考えたことは――。
- 税理士はお金にくわしい。
- 口コミ効果を期待するなら女性、主婦。
- 主婦といえば家計簿。家計簿はいわば家庭の決算書。
- 税理士である私なら、家計簿診断ができる。
よって、主婦を含めた個人をターゲットとしたホームページをスタートさせます。目玉は家計簿診断サービスとし、税理士色はできるだけなくすようにしました。
イメージとしては、
ホームページを見た人が家計簿診断を申し込む
↓
評判が上がる(口コミ効果が上がる)
↓
知り合いが会社を興す
↓
私を紹介してくれる
さて、結果はどうだったのでしょうか。