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「仮説力」の大切さ – 後編 –

2007年02月19日

『 「仮説力」の大切さ – 前編 – 』はこちら

では、ここからは「仮説の立て方」(事業計画の立て方)について解説していきます。

  1. まずは大前提。「事業の目的」は定まっているでしょうか。再三しつこいようですが、ここはつねに自分に問い直すようにしてください。
  2. 環境を分析する。キリンビバレッジのように大企業ではないので、細かいデータは採取できないでしょう。それでも構いません。「自社」「競合」「市場」などの3カテゴリーに分け、それぞれの現況はどうなのか。思いついたことを書き出していきます。
  3. 2の作業を踏まえ、自分のポジションを確認。仮説を立てていきます。

税理士である私を一例に、具体的な作業の流れを解説します。

  1. 「目的の確認」――クライアントが継続して事業を行なえるようにサポートする。
  2. 「自分の現況」――ひとり事務所である。平均年齢が高い税理士業界にあって、経験が浅い(若い)。代理店業務を行なわない(保険会社などと組み、クライアントに保険などを販売し儲けている同業者は意外に多い)。何かと相談されることが多い。「競合関係」――平均年齢が高い。税務署OBが多い。飽和状態であり、生き残りのため、みなが試行錯誤している。報酬が低減傾向。税理士法人など大手が出現している。

    「市場環境」――開業者は増加。会計ソフトを使い、ある程度の業務は誰でもできるようになった。税金に関する相談比率は非常に低い。経営について相談できる人を欲しがっている。税理士といったん顧問契約すると、なかなか変えない傾向がある。

これらの現況を踏まえ、考えるべきことは――「経営に困っている人とは?」「大きな税理士事務所で、できないことは何か?」「税務業務以外で特徴を出すには?」「パソコンに勝てるスキルとは?」など。

そこで、

  1. 「新規開業者」と「経営不振が続いている会社」をターゲットに、「経営」について特化し、「社長の一番の相談相手になる」ことができれば、うまくいくのではないか――という仮説を立てることができます。

そうすると次は自分がやるべきこと――「経営について勉強する」(ベンチャー支援のため)、「企業再生支援などテーマを絞って勉強をする」(経営不振企業への対応)などが見えてきます。

さらに、自分がターゲットとする層に向けて、明確に自分の方針(計画)を説明するために必要なこと――
「自己分析を深める」→「提供するサービスの整理」→「パンフレットやホームページの作成」と、具体的な作業が見えてきます。

ポイントは間違いを恐れないこと

再三言っているように、計画は立てたらそれで終わりではありません。「検証作業」をくり返しながら、必要に応じて計画の見直しをはかることが大切です。
よって、間違いを恐れないこと。これは大切なポイントです。「仮説」なので、正しいかどうかはわかりません。「違った」と思ったら、見直しをはかればいいのです。
冷静に、しかし大胆に。自身(自社)のあるべき姿、やるべきことを考えてみてください。

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