東京都渋谷区・新宿区の税理士|税理士法人 五島税理士事務所(五島会計事務所)

税理士コラム

税理士法人 五島税理士事務所  >  税理士コラム  >  五島税理士事務所&クライアント企業のDXを推進するデジタルネイティブ・鈴木涼平君と中小企業のデジタル化について語り合う(後編)

五島税理士事務所&クライアント企業のDXを推進するデジタルネイティブ・鈴木涼平君と中小企業のデジタル化について語り合う(後編)

2025年04月07日

前編はこちらから

当事務所およびクライアント企業のデジタル支援の分野で活躍している、若き精鋭・鈴木涼平君(RSfact株式会社代表取締役)。

コラムの後編では、鈴木君が自分の会社で何をミッションとし、当事務所と関わることで何を目指しているのか。また、私自身、生産性向上に向けて事務所のデジタル化に早くから着手してきた立場として、中小企業におけるIT導入の意味や効果についても、語りつくします。

ミニマムな額と装備で最大の効果を引き出すIT化をサポート

五島 今の鈴木君の会社の事業は、AIが事業の軸になっているんだっけ?

鈴木 そうですね。スタート地点は税理士業界のDXだったんですが、そこからChatGPTなどの登場で、AI活用のハードルが俄然下がりましたよね。税理士業界および中小企業の業務効率化プラス売上向上を実現するための自社プロダクト、生成AIも絡めてのDX支援事業を展開しています。

五島 ウチに来た当初、税理士業務の効率化について話を聞く、とにかくコスパ重視で人間味がないというと悪いけど、考え方が機械的だなという印象だった。けれど、1か月位でちょっと変わったよね。人間の心を取り戻したと言ったらヘンだけど(笑)。

鈴木 その辺のバランス感覚も学んだポイントです。

元々、僕は思考法として「ゼロか100」だったんです。効率化するならとにかく機械化する。そうではなくて、人がやる部分と機械でやるところをメリハリつけて、人がやる部分は目指す形を複製できるようにマニュアル化しておく。

働く人の気持ちに配慮し、アナログとデジタルのバランスを取るからこそ実現する、持続性のある効率の重要性に気づいたのは大きかったです。

五島 「他人のコスパを考慮しない、自分や会社のコスパだけを優先するやり方」は、短期的にうまくいっても、長期的に見れば失敗しやすい。

じゃあ、人間的な部分とデジタルの按配をどうするか。みんな、成功方程式の正解を欲しがるけれど、1つのソリューションやツールを入れれば、うまくいくわけではないように、いいバランスの着地点は試行錯誤しないと見つからないということも、経験上、伝えたいことかな。

今、うちの事務所のお客さんには3社、ITコンサルとして関与してもらっているけど、他のIT会社と鈴木君の会社の差別化ポイントって何なの?

鈴木 自分の会社のIT支援の特徴、強みとして特に意識しているのが「できるだけ小さい話」にすることです。

通常、IT企業って、何百万円単位の開発案件を提案、獲得して収益化を目指すことが多いと思います。

けれど、例えばExcelも使い込めば、活用範囲はかなり広い。ウチなら既にあるExcelやプラスαでちょっとしたスマホアプリなど作って組み合わせれば、従来の何分の1の予算でも十分やりたいことは実現できます、ということを打ち出しています。

五島 そういう考え方はリソースが乏しい中小企業に親和性があるね。

鈴木 幼少期からいろんなツールを触って組み合わせて遊んで培ってきた経験と知識を活かせば、何ならExcelだけでも無限の組み合わせを考えられると思っています。

もちろん、プログラミング言語を使って大掛かりな開発もしようと思えばできるけれど、高いものを売りつけるようなことはしたくないし、そういう良心的なIT企業があまり にも少なくて、”売らんかな主義”の業界の実態に対して怒りに似た気持ちもありますね。

個人として培ってきた知識を、法人として展開し、ミニマムな額と装備で中小企業のデジタル化に貢献していきたいと考えたのが、起業のきっかけでもあります。

低価格でやりながらも横展開で生産性高く、収益性向上を目指す

五島 もちろん、今はまだ中小企業にとってITコンサルという需要がどの程度あるのかは明確には見えていない。何社かお試しでやっていただくフェーズにあるけれど、何個かシステムを作れば、横展開もできるから、1~2万円の報酬でも数が集まれば収益性高く事業を展開できる可能性があるよね。

これはウチの事務所でやっている事業戦略でもあるけれど、そういうスタイルに賛同してくれて、異業種ではあるけれど、一緒に中小企業を盛り上げてくれようとしているのはうれしいなあと思っている。

人のためばかりやっていてもダメで、金儲けばっかりやっていてもダメで、そこは最適値が人によって違うと思うので、それぞれのいいバランスで取り組んでいけたらいいかな。

鈴木 一時的な流行ではなく、継続的にやっていくことが大事ですね。コストを抑えながらでも、ちゃんと成果を出せるというIT導入を進めていきたいと考えています。

例えば現在、五島さんのお客さん向けに作成している勤怠管理システムについてですが、既存の勤怠管理システムの相場って1人あたり350円くらいはするんです。

もしバイトスタッフが300人いたら、月10万円かかります。

ただ、1機能か2機能しか使わないのであれば、初期費用30万くらいで作ってしまった方が安い。

普通こんなに安く作れないんですが、ゼロからシステム開発しない工夫をしているので、こちらが苦しいわけでもなく、Win-Winでやっていけます。

リソースが乏しい中小企業のほうがデジタル化による業務効率化の効果は高い

五島 大企業のほうが、DXが進んでいるというイメージがあるけれど、中小企業のほうが元々人材不足を始めとしたリソースに限界があるから、効率化による効用も大きいはずだよね。

ただ、効率化を進めて1つの仕事に対する所要時間が短縮しても、全体の仕事量が同じならば、ただヒマな時間ができるだけ。時間を持て余して、売上につながらないムダな仕事を増やしたりするのもありがちな落とし穴かな。結果、目指す売上増にはつながらない。

生産性が向上した分、お客さんや受注を増やして、売上アップにつなげていくことがDXの本来の目的だよね。

効率化と新規獲得を本気でやれば、絶対に中小企業のほうがトップダウンでスピード感を持って取り組みをスタートできるし、効率化の成果が出やすいんじゃないかな。

鈴木 私としても、そうした取り組みに貢献できたらいいですね。昨年、自社製品として、「X-Bot」というAIを活用したワークフローを簡単につくれるサーバ製品を開発しました。いろんな業種業界で基幹システムとして機能するほか、税理士業務においても仕訳の自動化などに活用できると考えています。

こうしたツールも活用しながら、五島さんの事務所においても、他の事務所が追随できないような生産性の高いモデル事務所の実現に貢献できればと考えています。

五島 会計ソフトもオンラインサービスが色々あるけれど、まだまだ進化の余地があるよね。鈴木君の開発力に期待してます!/p>

―――――

顧問先の方限定で、鈴木くんのデジタル支援を月1万円~で受けられるプランを設けています。業務効率化をして時間を生み出したい社長さまがいましたら、既存の顧問先の方も、新規の方も、ぜひお問合せください。

<< 前のページへ戻る  << 税理士コラムトップページへ戻る

このページの先頭へ