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真のコミュニケーション能力ってナンだ?

2012年06月26日

話し上手=コミュニケーションの達人ではナイ!

「コミュニケーション能力には自信があります!」
採用の面接をしていると、そう力強くアピールしてくる方に出会うことがあります。
では、と思って聞いていると、前職での輝かしい営業成績や、チームリーダーとしての奮闘ぶりをとうとうとこちらの反応お構いなしに語ってきたりします。
別に前の職場でがんばったこと自体を否定するわけではありませんが、私の表情を見ればそんな話を求めていないことは察することができるはずです(何を求めているかは、ここでは割愛します)。

聞き手の反応をうかがわずに、自分が話したいことだけを主張する人が本当にコミュニケーション能力に長けているのか。
答えは「否」。
いくら話っぷりが巧みであったとしても、その場のコミュニケーションは失敗といえそうです。

話す、聞く、読む、書くetc.の総合芸術!?

では、そもそもコミュニケーションとはなんなのか。
話す、聞く、読む、書く、あるいは表情、身振り手振りなどが挙げられるでしょうが、ようはこうした諸言動の“総合芸術”とでも表現しましょうか。
話すばっかりでもダメだし、聞いてばっかりの人でも物足りなく思われる。
ようは、上手いバランスでこれらを組み合わせて周りの人との人間関係を円滑に進めることのできる。端的に表現すれば「気が利く人」がコミュニケーション能力に長けている人といえそうです。

酒席で気を利かせてお酌をしたつもりが…

では、「気が利く人」とはどんな人を指すのか?

例えば、取引先やクライアントとお酒を飲みに行った場を考えてみましょう。
相手のグラスが空くと「気を利かせて」、すぐグラスにお酒を注ぐ人がいます。昔、そんな「気の利く」スタッフがいました。一見、好感度が高いようですが、しかし、よくよく見ていると、誰に対しても、どんな時でも同じように動いている。これではマニュアル通りの言動と見られても仕方ありません。

当然ですが、人によって飲むペースも違えば、酔いたくない時(しかも相手に悟られないように)もあるはずです。また、差しつ差されつつといった昔ながらのやり方が好きな人もいれば、お互い気を使わずに自分のリズムで飲むのが好きという人もいます。
よくよく相手を観察していれば(ジロジロ見るのは失礼ですが)、なんとなく相手の気分やスタイルを察することができるはずです。

酒の席を例に挙げましたが、商談であっても、何であっても同じ。自分の主張を先に押し出したい人、あるいは相手にしゃべってほしい人、論より証拠の人、理詰め好きな人――相手のタイプだけを挙げても、さまざまな人が存在します。
気を利かせること、つまり真のコミュニケーション能力とは相手や場によって「いかに察するか」に尽きるのです。

役割分担を考えると、相手の気持ちがわかる!?

じゃあ、どうやったら相手の気持ちを察することができるのか。
当然ですが、簡単なことではありません。会う前の準備段階として、相手がどんな人かを人づてに聞いてみたり、その場その場での観察力で臨機応変に対応してみたり、などが挙げられますが、相手は生身の人間です。
一度で上手くいかないことが大半で、いろいろ試行錯誤した結果、ようやく相手の気持ちや性格が分かって、そこから一気に信頼関係が築けた! といった流れが普通ではないでしょうか。

「正解がなく、試行錯誤が必要」なのは、前にコラムで取り上げた「考える」&「目標設定」の作業にも通じる部分かもしれません。

ひとつ、私が意識しているポイントを挙げてみましょう。
それは、準備段階での「役割分担を考える」こと。自分と相手との関係から、自分にどんな役割が求められているのか、を事前に考えてみるのです。
例えば、同年代の中ではリーダー的存在でも、会社の中では一番下っ端とあればまったく違う役割が求められます。私の場合、クライアントが年上なのか、年下なのか。あるいは経営者歴が長いのか、起業したてなのか、などで求められる助言も変わってきます。

そう。人間の役割とは相対的なものです。
その場、その人にあわせてカメレオンのように自分の色を変える。こうした柔軟さも、真のコミュニケーション能力を身につけるには大事なことです。

PCにはなしえない差別化のポイントに!

ここまで読んでお気づきのように、コミュニケーション能力とはいかにも曖昧なスキルです。
正解はありません。でも、だからこそ“正解がない”時代の最大の武器になりうる。
理屈ではなく、コミュニケーションが円滑になれば(そして信頼関係が生まれれば)、何の物事を進めるにも「話が早くなる」からです。
それこそがPCやどんなソフトにもなしえない差別化のポイントとなりそうです。

もちろん、一筋縄では達成できないことですが、少しコミュニケーションのあり方を考えるだけで、仕事の進め方や相手からの反応にもいい変化が生まれる可能性がある。そう私も信じて、日々「察する」べく精進しています。

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