正解を求めない
2007年04月16日
何もしなければジリ貧
これまで、事業の目的や目標の立て方、そして仮説と検証をくり返し、事業計画を立てる流れ、実際の行動への移し方について紹介してきました。
しかし、再三言ってきたように計画通りに事業がうまくいくケースはマレです。「こうやればうまくいく」と思っても、失敗することのほうが多いのです。すると、持ち駒が少ない中小企業の場合、1~2回、想定が外れただけで手詰まり状態になりがち。次に何をやればいいのか、途方に暮れてしまったり、あきらめてしまったりというケースが見受けられます。が、そこで何の手を打たないでいては、現状維持どころか、実際は少しずつ後退するだけ。ジリ貧状態に陥ってしまいます。
大事なのは現状を変えること
事業がうまくいってない場合、大事なことは「現状を変えること」。手詰まり状態で身動きがとれなくなったら、シンプルに「いますぐにできること」を考えてみることが大切です。
たとえば、スーパー経営で、近くに大型店ができ、売上が右肩下がりになったとします。そこで、思い切って商品ジャンルを絞り、競合店との差別化を図ります。しかし、それがうまくいかなかった…。資金や人員に余裕がないと、大々的に広告を打つ、店舗のリニューアルをはかる、などの追加策をとることは難しいでしょう。
では、どうするか。何が正解かということは別にして、いますぐに自分ができることをリストアップしてみます。
例えば、
- チラシを配る
- 身近なお客さんであるパートさんから話を聞く
- 面白い商品をインターネットなどで探す
- 必ず1人、接客専門の担当者を店におく
- 従業員全員に商品の特徴を覚えてもらう
どうでしょうか。こうしてみると、どれもこれも当たり前のことです。いまさら何を…と思う人もいるかもしれません。
しかし、大事なことは「変えること」と「行動すること」です。立ち位置を変え、変化をつけることで、事業に対する新たな認識が生まれます。
「これまでは、こうすればうまくいくと思っていたけれど、そうじゃないのかもしれない」
――そこから、新たな仮説が生まれる可能性もあります。
小回りがきく強み
一番いけないことは、失敗を恐れ、立ちすくんでしまうことです。「違った」と思ったら、また違う策を試してみればいいのです。そんな小回りがきくことこそ、中小企業ならではの強みでもあります。
あきらめず、恐れず。最初から正解を求めず、いまできることから行動に移してみてください。