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税理士コラム

事例研究・社長とのガチンコ対談 PART1

2007年06月12日

今回は、私のクライアントであるビジネス・インフォメーション・テクノロジー社長の山口幸雄さんとの対談特集です。同社は、私が会計事務所に勤務していた時からの付き合いで、創業直後からともに歩んできました。
2001年、山口社長を始め、わずか4名でスタートとした同社もいまや正社員65名、契約社員68名の会社へと成長、拡大。IT業界で確実に売上を伸ばし続けています。同社の成長過程を振り返るなかで、事業を維持・成長させるためのポイントなどを提供できればと思います。

代表取締役 山口幸雄さん

株式会社ビジネス・インフォメーション・テクノロジー
代表取締役 山口幸雄さん

[経歴]
1974年東京都生まれ
千葉県立柏高等学校卒業
独学にてITキャリアを蓄積
株式会社ビジネス・インフォメーション・テクノロジー設立

♯創業当時を振り返ってみよう

五島

「そもそもさ、起業のきっかけって何だったの?」

山口

「じつは中学時代からの夢だったんだよね」

五島

「エッ、そうだったの? 初めて知ったよ」

山口

「高校卒業した後、IT技術を学んで、しばらくIT会社に勤めてたんだけどね。早く独立しなきゃ、って考えてはいた。直接のきっかけは2000年6月に親父が死んだこと。そのとき、『今年絶対に独立する』と決意した。親父の死がなかったら、もっと先だったかもしれないし、そもそも独立してなかったかもしれないな」

五島

「それで、佐藤(現・同社専務取締役)と一緒にやることにしたんだ」

山口

「うん、あと2人加えて4人。で、税理士を頼もうということになって、知り合いのツテで五島さんを紹介してもらったんだよね」

五島

「でも、あの時、僕以外にもう一人税理士の紹介を頼んでたじゃん。天秤にはかられてたと知って、正直ショックだったよ(笑)」

山口

「料金とか人柄も含めて検討したいじゃない。五島さんの第一印象は『若い!』ってことだったかな。変な話だけど、赤い缶ペンケースを使ってたことを強烈に覚えてる」

五島

「(笑)。そんなこと忘れてたよ。コカ・コーラの缶ペンね」

山口

「やっぱり、決め手は"年齢が近かった"ことかな」

五島

「僕もすごい"若さ"を感じた。と、同時にヤバいな、と思った」

山口

「エッ、どういうこと?」

五島

「自分より、若いヤツらがヤル気満々で独立しようとしてるって。自分も早く独立しなきゃ。今年中には独立しよう、と。じつはそのとき決意したんだ」

山口

「そういうふうに思ってくれてたんだ。ちょっとうれしいな」

五島

「自分より、若いヤツらがヤル気満々で独立しようとしてるって。自分も早く独立しなきゃ。今年中には独立しよう、と。じつはそのとき決意したんだ」

山口

「そういうふうに思ってくれてたんだ。ちょっとうれしいな」


♯こうして成長していった!

山口

「年が近かったからかな、すぐ意気投合したよね」

五島

「僕も独立して、いろんなことにチャレンジしたかったから、経営に関われたことは貴重だったな。山口さん、数字が得意だから、『月次決算をやろう』というとすぐに始めてくれたし。事業計画を立てようとか、毎月、会議をやろうとか」

山口

「そうそう。具体的な仕事の決断はできるんだけど、それ以外の目標とか目的とか苦手だから、五島さんの提案は貴重だったな。会議で五島さんから言われたことで強烈に覚えていることがあるよ」

五島

「何?」

山口

「IT業界って、下請け構造が何重にもなってるんだけど、その当時、僕らはかなり下に位置してたんだよね。で、五島さんが『将来的に、どこを目指したい?』って追及された。僕は正直、大手メーカーなどと直接取引できるようになりたい、と考えていた。ムリかなという思いもあったんだけれど…」

五島

「そんなことがあったね」

山口

「でも、やればデキるんだよね。今年、ついにその思いがかなった。6年かかったけれど…。目標をキッチリ立てていくことって大事だよね」


♯大きくなるにつれ不協和音も…

五島

「2003年、顧問の中竹君(同社顧問の中竹竜二氏。現早稲田大学ラグビー部監督)の結婚式の帰りかな、山口さんが言ったこと覚えてる? 『(売上)10億やる(目指す)』って」

山口

「そうだっけ…」

五島

「前の日に、付き合いのある社長たちと飲みに行って話したらしくて。『ほかの社長が10億やれるんだったら、やれないわけない』ってね。そこから、会社も伸びていくんだけれど、社内の雰囲気は仰々しくなっていったというのかな。創業当時のフラットな感じから、転換期を迎えたね。僕たちの関係もちょっとギクシャクしたりして…」

山口

「そうだね。友達みたいに関係が近づきすぎた嫌いはあったかもしれない」

五島

「ほかの社員とも仲良くなっていろんな意見を聞いていたから、板ばさみになったりね。お客さんと密に関係を持つというのが、自分の持ち味だと思っていたから、正直、距離のとり方に悩んだ時期もあった…」

山口

「五島さんからしばらく会議に出るのを中断すると言われたときは、寂しかったけど、仕方がないかな、と。長くつき合えば、関係がうまくいかなくときもあるものだし」

五島

「山口さんが気をつかってくれてたのはわかってたよ」

山口

「でも、一昨年、業績がダウンして、五島さんに『会議に出てほしい』と再度頼んだ。やっぱりね、確実に厳しいことを言われるんだけれど、貴重なんだよ、そういう意見が。"五島節"は厳しいからムカつくこともあるけど(笑)、次は言われないようにしてやるぞって思うもんね」

五島

「思っていることは、どの部門もがんばってほしいということだけなんだけど」

山口

「おかげで、赤字だった部門も持ち直してきた。まだまだV字回復には遠いけど、きちんと回りだして本当に良かったよ」


♯これから目指すことって?

山口

「仕事をやるモチベーションは、ずっと変わってないんだよ。とにかく『金を稼ぎ続ける』こと。起業の原点に関わることだけど、親が金に苦労してたのを見てるからね。金のないヤツがエラソーなこと言ってもダメだろ、という思いがある。まあ、一種のコンプレックスなんだけど…」

五島

「金銭感覚は本当にきちんとしているよね、山口さんは。当然のことだけど、無駄なコストはかけないとか。そういうところはすごいと思う」

山口

「利益という点で見ればまだまだだよ。売上は伸びてきたけれど、もっと利益率を上げられるようにしたい。五島さんにも言われてることだけれど、これが目標かな」

五島

「でも、山口さんが全てを背負いすぎかな。見ていて危なっかしいなと思うことがある。自分の意思を社員に伝えきれていない部分がまだ多いんじゃない? トップダウンの社長じゃないんだから、その点を少し改善できるといいと思うよ」

山口

「そうかもしれない…。まあ、これからも変わらず厳しくご指導ください(笑)。誰も口うるさく言ってくれないもんね。そういう意味で、この関係は貴重だと思ってる、ホント」


五島の目

同社は、決してトップダウンの会社ではありません。山口社長と、その他ふたりの専務取締役のそれぞれの強み、個性がぶつかりつつ、いいバランスを築いている。3人でタッグを組む"トライアングル・システム"が強みといえます。また、山口社長の金銭感覚の厳しさも大きなポイントです。もちろん課題もあります。これまでは、会社規模の拡大に注力してきましたが、会社が大きくなるということは、イコール経営を維持していく上でのリスクも高まります。今後は、事業効率のさらなる向上を進めていく必要性があるでしょう。

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