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税理士と経営、起業、お金について語り合う「ランチ相談会@代々木上原」vol.4 ―中長期スタンスで独立を見据えた準備の進め方を学ぶー

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「税理士と個人事業主、経営者、起業を志望する方との距離を縮めたい」「もっと気軽に相談してほしい」。そんな布瀬川の思いからスタートした同企画。今回は、当事務所がある代々木上原の人気和食店「キガルニワショク弾」で料理長として働く金子太一さんに登場いただきます。東京・足立区綾瀬で寿司屋を営んでいた両親の影響で、料理の世界を志したという金子さん。今後の独立プラン、思いをざっくばらんにうかがいました。

税理士紹介

布瀬川えり(税理士法人五島税理士事務所 代表社員)

ふせがわ・えり。立教大学経済学部経営学科出身。大手生命保険会社勤務中に税理士資格取得を志し勉強をスタート。税理士法人トーマツ(現デロイト トーマツ税理士法人)在籍中の2007 年、税理士登録。 2人の子供を持つ母親業との両立を考え、自身が居を構える代々木上原の現事務所に転職。17年、税理士法人設立とともに代表社員就任。共同代表の五島洋とともに、クライアントに寄り沿う姿勢を大切にしている。

今回の参加者

金子太一さん 東京・足立区綾瀬で寿司店を経営していた実父の背中を見て育ったことから、幼少期から料理の世界を志す。調理の専門学校、飲食チェーン企業を経て、岐阜の和食店で本格的に和食を学ぶ。その後、東京ミッドタウンの創作和食「HAL YAMASHITA(はるやました)」で5年間ほど勤務。地中海料理の店を経て、イタリアンと和食が楽しめる人気店「オトナノイザカヤ中戸川」(代々木上原)に転職。同店オーナー中戸川弾さんが開いた2店舗目、和食「キガルニワショク弾」の料理長を任され、今に至る。

「借入の必要がなくても、念のために創業融資を受けておくという考え方もあります」

布瀬川

事務所の親睦会やクライアントさんとの交流会などで利用させていただいていますが、いつも美味しい和食をありがとうございます。ご実家は東京・綾瀬でお寿司屋さんをやっていらしたとか。

金子

はい、2年前に閉店してしまったのですが、父が寿司を握っている姿を見て育ったこともあって、小さいころから寿司職人になるんだと思っていましたね。
調理の専門学校に行って、その後、岐阜の和食店で5年間、修業をしていたんですが、そのころから父は「寿司屋は自分の代で終わりにする」と。

布瀬川

なぜですか。

金子

都心の高級店などと違って、お客様の多くはご近所の常連さんです。客単価から見ても、いわゆる町のお寿司屋さんは経営が難しくなってくるだろう、と考えたようです。

また、私自身、東京ミッドタウンの「HAL YAMASHITA」で、“新和食”と呼ばれるジャンルを学び、パクチーをテーマとする創作料理の店を経て、分野を限定するのではなく、和食をベースに広くチャレンジしていきたいと考えるようになりました。

そこで、イタリアンと和食を楽しめる「中戸川」に転職。1か月ほどで2店舗目として和食の店を出すこととなり、料理長として今の店を任されることになりました。 和食といっても、「中戸川」同様、堅苦しくなく、毎日いらしても楽しめるような多様なメニュー構成を心がけています。

布瀬川

確かに、和食に遊び心を加えたお料理が印象的ですが、金子さんのご経歴が活かされているんですね。
ご実家のお寿司屋さんは、閉店されて、そのままの状態?

金子

そうです。なので、ゆくゆく独立する際には、実家の店舗を活用し出店できればと考えています。

寿司店のままの設備では調理の限界がありますので、コンロや換気扇など、調理回りの改装をして、大体見積もって、創業資金としては300万円ぐらいでしょうか。
3~5年ほどの中長期スパンで、資金始め、少しずつ準備を進めていければと思っています。

布瀬川

飲食店の場合、店舗にかかる初期費用が大きいですから、ご実家の店舗が活用できるのは、大きなアドバンテージですね。

ただ、すべての業種に通じる話ですが、事業は始めてみないことには、どう転ぶかわかりません。借入は必要ないと思っていても、借りられるならば創業時になるべく借りておくという考え方もあります。
いざ、資金が苦しくなってから、運転資金を借りたいと思っても、業績が伴わない限り、融資のハードルは高くなりますので……。

金子

なるほど。資金は融資も視野に入れて余裕をもって計画を立てることが大事ですね。

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「国や自治体の優遇制度や助成金活用についても、お気軽に御相談ください」

布瀬川

国や自治体単位の優遇制度や助成金なども最大限活用するのがポイントです。

金子

助成金については、色々と耳にすることは多いのですが、制度の内容もその年によって変わるようですし、申請もなかなか大変そうですね。

布瀬川

そうですね。当事務所では創業時や新規事業に際して、申請をお手伝いさせていただくことが多いのですが、制度が改正されたり、新制度が出てきたりするので、マメなチェックが肝要です。
開店準備段階に入ると、何かと忙しくなりますので、本業に集中するためにも、早めに専門家を味方につけておくのがおすすめです。

金子

独立した同業者に話を聞くと、最初は個人で始め、売上が安定的に推移し、消費税の納税義務が発生する段階で、法人化を考えたり、法人化に合わせて税理士にもお願いしたりするケースが多いようですが……。

 
布瀬川

最初から大手企業との取引があるようなビジネスは別ですが、飲食店のように個人のお客様を相手にする場合は、最初は個人事業主からスタートするのが一般的ですね。

消費税は原則的に2年(期)前の売上が1000万円超で納税義務が発生しますので、売上を見据えながら法人化し、最大4年間の消費税免除のメリットを享受するのがいいでしょう。

ただ、法人化してから税理士にご相談に見える方も多いのですが、設立前からコミュニケーションをとっておくことで、決算の時期の設定や役員報酬の額の決め方など、長期スパンで見たアドバイスもご提供できます。
当事務所では、ご契約前の相談は無料で対応しておりますので、早めにコンタクトをとることをお勧めしています。

金子

「こんなことを税理士の先生に聞いていいのかな」とか、「税務以外の相談をしたら、別途料金が発生するのかな」などと、気にすることなく、気軽に相談できるのはありがたいですね。“餅は餅屋”で、独立が決まったら、早めに相談するのが肝心というわけですね。

布瀬川

あとは、独立のタイミングですね。

金子

はい、まだ今の店を任されて数年ですし、まずは目の前の仕事をしっかりやって、お客様に喜んでいただき、さらに売上に貢献していくことが自分のミッションだと考えています。
それに並行して、後身をしっかりと育てていくのも大事な役割となります。

布瀬川

飲食業界に限った話ではないですが、今はどこも人手不足で、人材の移り変わりも激しいですし、人材獲得は大きな課題ですね。

金子

あとは、追々の課題ですが、綾瀬でお店を出すならば、今の代々木上原とはやはり客層や求められるサービスも変わってくるでしょう。
また、いらっしゃるお客様も父が現役だったころとは異なりますし、業態も変われば、来てくださるお客様の年齢層も変わってきます。

自分の理想や目標はさておき、しっかりと売上をあげていくことがまずは一番の課題。
じっくり地元の方に寄り添いながら、自分らしい店の在り方を模索していく必要があると考えています。

布瀬川

おっしゃる通りで、まずは売上をあげる。ここが肝心ですね。
お父様も何も言わなくても、ご自身が頑張っていらした“城”が、息子さんの手によって新たに“息”を吹き込まれ、地元の人に親しまれていくとするならば、こんなにうれしいことはないのではないでしょうか。

ご近所ですし、ぜひまたお気軽に相談にいらしてください。

布瀬川s EYE

飲食店は物件探しと初期投資が大きなハードルとなりますので、お父様がやっていらした店舗を活用して、独立できるのは資金面でも大きなメリットといえます。
しかし、開業してみないと、商売はどう転ぶかわかりません。
その観点からも、融資や助成金などの活用も視野に入れ、早めに&気軽に御相談いただければと思っています。

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