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税理士と経営、起業、お金について語り合う「ランチ相談会@代々木上原」vol.3 ―法人化のメリット・デメリット、ベストなタイミングについて学ぶー

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「ランチをしながら、気軽に相談いただけるような場を作りたい」。そんな税理士・布瀬川の発案でスタートした「税理士と個人事業主、経営者、起業を志望する方を繋ぐ」同企画。3回目は、個人事業主として編集、ライター、ウェブメディアの進行管理などを手掛ける山崎美子さん(仮名)に登場いただきます。実は新たなチャレンジとして、会社設立を考えている山崎さん。「法人化のタイミング」「法人化したら何が変わるのか」など、法人成りに関する疑問、考え方について布瀬川がお答えします。

税理士紹介

布瀬川えり(税理士法人五島税理士事務所 代表社員)

ふせがわ・えり。立教大学経済学部経営学科出身。大手生命保険会社勤務中に税理士資格取得を志し勉強をスタート。税理士法人トーマツ(現デロイト トーマツ税理士法人)在籍中の2007 年、税理士登録。 2人の子供を持つ母親業との両立を考え、自身が居を構える代々木上原の現事務所に転職。17年、税理士法人設立とともに代表社員就任。共同代表の五島洋とともに、クライアントに寄り沿う姿勢を大切にしている。

今回の参加者

山崎美子さん(仮名) 大手出版社で編集者・記者として勤務。2010年に出産、翌年に復帰するが、育児との両立に悩み、12年退社。15年、フリーランスとして復帰。順調に仕事を広げ、18年より夫の扶養から外れる。小学生の子供との時間を最優先しつつも、法人化を思案中。

「独立後、事業を軌道に乗せるには、前職のキャリアを上手に活用することがポイントです」

布瀬川

プロフィールを拝見したら、お子さん、2010年生まれでウチの子と1学年違いですね。出産直後に震災が起こって、色々と不安な時期を過ごしたことを覚えています。

山崎

はい。私も出産した翌年には会社に復職したんですが、子供のことを考えると「東京にいていいのか」などと迷いも生じて、会社を辞めて、一度故郷に帰ったんです。
3年間は専業主婦生活を満喫していましたが、元々、仕事好きなので働きたいという気持ちがムクムクとわいてきまして。
東京に戻ったところで、出版社時代の知り合いから誘われ、15年、ライター業や自治体の市民編集委員の仕事を始めたんです。

布瀬川

そこから3年目、お仕事の状況はいかがですか。

山崎

初年度は売上50万円程度でしたが、大手ウェブサイトの仕事をいただいたこともあって、17年が売り上げ550万円。今年は700万円ぐらいいきそうです。夫の扶養からも外れて、「税金や社会保障のことをちゃんとしないと」と思って、今年は自分なりに色々とソンしないための仕組みづくりに取り組みました。

 
布瀬川

起業で失敗するパターンでよくあるのは、前職とまったく別のビジネス、例えば脱サラで飲食店をやる、といった異業種へ転向するケースがあげられます。
山崎さんの場合は、前職のキャリアを活かして、着々と実績を重ねていらっしゃる。
さらにご自身で調べて、工夫されているのは素晴らしいですね。

山崎

マネー誌の出身なので、どうもソンしたくないという気持ちが強くて(苦笑)。また、記者魂というのか、何事も自ら体当たりで実践というタイプですね。

まず、健康保険は国保組合の文芸美術国民健康保険組合に加入しました。収入・所得に関係なく、額が一定なのがいいな、と。また、掛け金が全額控除できて、あと退職金代わりにもなると聞いて小規模企業共済に入りました。

プラス、後回しになっているiDeCoに入れば、とりあえず節税策としてはやれることはやったかな、という状況です。

今日、相談したいのは、新たなチャレンジとして法人化を考えています。
売上の規模からすると、まだ早いかもしれないんですが、プロの視点から法人化のメリット、デメリット、どんな人がどういうタイミングで法人化するべきかについて助言いただければと思っています。

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「法人化すると、社長一人でも社会保険料の加入義務が。
役員報酬の額の設定がポイントとなります」

布瀬川

布瀬川 まず、山崎さんが気にされているであろう税金やかかるコストについてお話ししましょうか。

せっかくリーズナブルな文芸美術国民健康保険組合に入られたということですが、法人の場合、従業員がいなくても社会保険の加入が義務付けられます。代表取締役一人でも会社負担分を自分で支払うことになるので、社会保険料負担は増えます。

その他の負担としては、赤字であっても法人住民税の均等割部分は課税となり、東京都23区の場合、資本金1000万円以下の場合で、原則7万円の支払いが発生します。

また、法人設立時に30万円程度の費用がかかるほか、法人の決算については、自分でやるのはなかなかハードルが高いので、顧問税理士を依頼すると、そのコストもかかってきますね。

山崎

税理士については、なるべく本業に集中するために、ぜひお願いしたいと思っているのですが、社会保険料負担は大きいですね。

布瀬川

もちろんメリットも色々ありますよ。

最大のポイントは、社長も給料をもらう立場になりますので、給与所得控除が使え、給与の額を自分で決められることです。

ですので、もし役員報酬を低く抑えることができれば、所得税の節税ができ、所得に伴って決まる社会保険料や年金負担を今より抑えることも場合によって可能です。

ただし、所得を低く抑えた結果、会社の利益が増えると、法人税が高くなってしまうケースも。どれだけ経費を差し引けるのか、その兼ね合いで役員報酬の額は考える必要があります。

また、消費税は2期(年)前の売上が1000万円以上で、個人事業主・法人に関わらず、納税義務が生じます。つまり、開業して最初の2年間はおおむね消費税が免除になり、課税事業者になった個人事業主が新たに法人(資本金1000万円未満の場合)を作った際も、会社設立後から2期は免除になります。

山崎

消費税免除のメリットを最大限受けるなら、まずは個人事業主で売上1000万円を超えてから、法人化のタイミングをはかったほうがお得ということですね。

布瀬川

理論的にはそうなりますね。もう一つ、小規模企業共済に今、加入されているということですが、法人になったら経営セーフティ共済に加入するのがオススメです。こちらも掛け金を全額経費に計上することができます。

それ以外にも、生命保険を活用した節税策の選択肢も広がります。法人で加入した場合、掛け金の半分を経費に計上できるような商品もありますよ。

山崎

お~、実は生命保険は夫の死亡保障付きの生命保険以外は未加入でして、やり方次第では今よりトクすることも可能だ、と。これは検討の価値ありですね。

山崎

例えば、夫や子どもなど家族などを役員にすることは可能ですか?

布瀬川

仕事に関わっている実態がないとNGですね。

また、事業によって個人と法人で切り分けて仕事を受ける手もあります。ただし、売上管理などがやや煩雑になるので、トータルで数字を見ていく必要があります。

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「決算時期は、売上が比較的安定している月に設定するのがオススメです」

山崎

そういう手もあるんですね。
法人設立前から、税理士さんと顧問契約をすれば、会社設立の手続きや、資本金の額、決算時期の決め方なども相談は可能ですか?

布瀬川

もちろん、顧問契約前の御相談も含めて、大歓迎です。お金の管理も、自分で色々と調べてやるのが楽しいという人は、ご自身でやるのもいいと思いますが、「領収書の整理や帳簿つけがストレス」というお客さんもいらっしゃいます。

当事務所でも、記帳代行を月1万円から承っていますが、「月1万円でこんなにラクになるなら早く頼めばよかった」というお声もよく頂戴します。

会社設立の手続きに関しても、行政書士の方のご紹介もできますし、会社設立後も「税務署からこんな書類が来た」といった場合も、こちらに投げていただければ対処いたしますよ。

山崎

既に消費税増税に関する通知が来たんですが、よくわからなくて……。随時、不安や疑問を解消できて、本業に集中できるのはいいですね。

布瀬川

先ほどのご質問にあった決算時期についてですが、当事務所ではお客様自身の業務が比較的ヒマな時期、つまり売上が安定している時期に設定されることをお勧めしています。

決算直前になって、突然、売上が上昇すると、適切な節税策をとることができないまま、思ったより利益が出て、税金が跳ね上がるリスクがあります。

また、資本金については1円から株式会社が設立できますが、取引先と契約書を結ぶ際など、見栄えを多少考慮するならば100万円程度あればいいのではないでしょうか。

もちろん大手企業との取引予定があったり、金融機関からの借入予定があったりするならば、もう少し金額を積んだほうがいいでしょう。
売上や利益についても、融資を受けるならば、法人税を支払っても、利益をきちんと上げ、黒字で着地させるのがベターです。

事業の目的や方向性によっても、会社のベストのあり方は変わります。会社を作ってから「!?」とならないためにも、ぜひ前もってプロの力を上手に使っていただければと思います。

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ビジネスは“勢い”にも左右されるもの。
モチベーション管理も社長の大事な仕事です」

山崎

心強いです。あとはいつ法人化するか。そのタイミングですね。

布瀬川

ここまでは数字や手続きの手間などの観点から、法人化についてお話ししましたが、事業を成功させるうえでは、メンタル面やモチベーションも大きく影響します。

山崎さんは、新たなチャレンジとして法人化を考えていらっしゃるわけですよね?

山崎

そうですね。手間やコストを考えると、即、法人化する必要はないということはわかったのですが、やっぱり「やりたい」という気持ちが強いです。
常に新しいことにチャレンジしていないと、という強迫観念もあるのかもしれません(笑)。

布瀬川

ビジネスには勢いも必要ですから、気持ちの盛り上がりは大事にされたほうがいいと思いますよ。

山崎

夫からは会社を設立するということは、社会に対してもより大きな責任を負うことになるんだから、慎重に考えなさいと心配されたりしていますが……。
でも、子どもも大きくなってきたら、上手な子離れも必要ですし、今は夫の仕事の関係上、NGな投資にも、夫が引退したらチャレンジしたいと思っています。

その時に法人を設立した経験や、培った視点というのが、企業や社会を見る上で役立つのではないかなあとも考えています。
もちろん、今は小学生の子供との時間を最優先というのが大前提ですが…。

布瀬川

常に「新しいことをやらねば」という思いがあったからこそ、仕事を始めて3年でここまで順調に来られたのでは?

仕事は大好きだけれど、お子さんとの時間も大事。育児と仕事の両立の難しさは、私も常に痛感するところです。
旦那さんともよく話し合われて、ぜひベストな道を選んでくださいね。
当事務所でも必要とあればサポートさせていただきますので、お気軽に御相談ください。

布瀬川s EYE

同じく小さなお子さんを持つママとして、仕事も楽しくバリバリとやっていらっしゃる様子に、非常に共感するひと時となりました。

実は、相談後、「やはり会社を作りたい」とご依頼が。諸々の御相談に乗り、行政書士の方をご紹介するなど、サポートさせていただきました。

会社設立には、多少の手間がかかる一方、さまざまな税金面でのメリットもあります。ただ、“節税ありき”でビジネスを考えると、方向性を見失うことも。

ご自身が「どうありたいのか」「事業をどうしていきたいのか」をまず見極めていただき、そのために「会社という器をどう活用するか」「どんな会社にしたいのか」を考えることをお勧めします。

その上で、プロの助言を参考にしたいということであれば、喜んでお手伝いさせていただきます。お気軽にお問合せください。

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