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税理士と経営、起業、お金について語り合う 「ランチ相談会@代々木上原」VOL.1 ― 経費の入れ方のキホンを学ぶ ー

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お金回りのことを相談できる人が身近に欲しい」「けれど、税理士と契約するのはまだハードルが高い」。そんなふうに考えている個人事業主、経営者の方と「もっと気軽にコミュニケーションをとれる場を作れれば」という税理士・布瀬川の発案で、同企画がスタート。今回は、当事務所がある代々木上原で働く個人事業主の女性3人が集まり、ランチを食べながらの相談会となりました。

税理士紹介

布瀬川えり(税理士法人五島税理士事務所 代表社員)

ふせがわ・えり。立教大学経済学部経営学科出身。大手生命保険会社勤務中に税理士資格取得を志し勉強をスタート。税理士法人トーマツ(現デロイト トーマツ税理士法人)在籍中の2007 年、税理士登録。 2人の子供を持つ母親業との両立を考え、自身が居を構える代々木上原の現事務所に転職。17年、税理士法人設立とともに代表社員就任。共同代表の五島洋とともに、クライアントに寄り沿う姿勢を大切にしている。

今回の参加者

松本 寿子 さん FCでフェイシャルエステサロンを経営。税理士とのつき合いは年1回、確定申告を依頼。

小山 クレハ さん ライフワークアドバイザーとして自宅サロンにて美容、食、住のサービスを展開。個人事業主。現在、税理士とは未契約。

大野 朋子 さん Webデザイナー。派遣で週3日勤務、フリーランスとしても活動。現在、税理士とは未契約。

「経費の入れ方についてもぜひ税理士に相談してください!」

布瀬川

今日はみなさん、ありがとうございます。私は、普段、主に中小企業の経営者の方、個人事業主の方の税務のサポートをしていますが、税理士と契約をしていない方々ともっと気軽にコミュニケーションがとれる場があればと思い、こんな企画を立ち上げてみました。どういう場面でお金のプロの視点を必要としているのか、日々、事業をやっていく上でどんな疑問を持っているのか、気軽にお聞かせいただければと思います。

小山

税理士というと、なんだかカチッとした年配のオジサマが出てくるイメージがあったのですが、同年代の女性だと話しやすくていいですね。

布瀬川

税理士業界で女性が占める割合は7人に1人と言われていて、平均年齢もまだ高いんですよね。税理士と何らかのおつき合いがある方はいらっしゃいますか?

松本

年1回、確定申告の時だけお願いしています。会計、税務のことも何もわからないまま、領収書、資料一式、まるっとお渡ししているような状況です。 でも、開業して約3年、このままお任せ状態でいいのかなあとも悩んでます。
知り合いの事業主に聞くと、「自分でやったほうが、経費も入れやすいから還付率もいいよ」とも聞きますし、事業をやっていく上では少しは自分で勉強したほうがいいのかなとも……。

大野

先生によっても、経費の入れ方に違いがあるって聞きますよね。厳しい先生だと、領収書一枚一枚、逐一チェックして細かく詰められたりするとか……(苦笑)。

布瀬川

経費の入れ方は、税理士によってもスタンスが異なるところです。だからといって、自己流で「これぐらい大丈夫だろう」と経費を計上しているとリスク大です。実際、ドンブリ勘定でやっていたところ、税務調査に入られ税金を数年分、溯って徴収されたフリーランスの方もいらっしゃいます。
個人事業主や白色申告ならば税務調査は入らないと勘違いしている人もいますが、実はそんなことはありません。

松本

自分でやるとしてもきちんと勉強が必要というわけですね。今日はしっかり経費の入れ方について学んでいかないと……。

布瀬川

税理士にお願いする際も、「この経費は入れても大丈夫ですか?」などと、コミュニケーションが取りやすい方がいいですよね。
当事務所では、クライアントのリクエストも聞いた上で、売上と経費のバランスを見ながら相談しつつ、計上しています。

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「経費の可否、按分比率は“その根拠を説明できるか”がポイント」

小山

自宅サロンで、漢方や薬膳などのランチも出しているんですが、その場合の光熱費はどうでしょう?

布瀬川

光熱費は事業用と自宅用で使用の割合を出して按分すれば、経費に入れることは可能です。

大野

私も週半分は自宅で仕事をしているんですが、業務用と自宅用の割合ってどう決めればいいんでしょうか。

布瀬川

面積比率で按分するのが一般的な方法です。家全体の面積が〇㎡で、仕事部屋がそのうち△㎡と出せば、その割合で光熱費を割ればOK。あるいは自宅のリビングを仕事で使っているとなれば、「毎日9時から17時までは、仕事のみに使っている」として、時間の比率も掛け合わせれば説明がつきますよね。

小山
なるほど~。
布瀬川

按分するを基本に、ネットや固定電話は仕事でしか使わないならば100%入れるなど、調整していきましょう。原則は割合、按分比率の根拠について問われた時に、論理的な根拠があるかどうか。ようは説明がつけば問題ありません。

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「領収書をもらわなくても、レシートでOKです」

松本

私のような店舗ビジネスでも、自宅に仕事を持ち帰ったとしたら、経費に入れるのはアリですか?

布瀬川

もし賃貸の自宅の一室を事務所にして、事務系の仕事はすべて家に帰ってからやっているということであれば、光熱費や家賃の一部も経費にすることが可能ですよ。

松本

そんなやり方もあるんですね。勉強になります! じゃあ、美容院代はどうでしょう。

布瀬川

美容院に行かないと、業務が成り立たないのかがポイントでしょうか。美に関わる仕事なので必要経費ということならば、半分だけ入れているようなクライアントの方もいらっしゃいます。

小山

ではでは、打ち合わせに着ていく洋服を買った場合は、経費になりますか?

布瀬川

そこはグレーですね。打ち合わせのためだけに着るならばOKですが、プライベートでも着ますよね。例えば、テレビ出演用の衣装で、テレビに出る時以外には着ないということであれば全額経費化も可能ですが、プライベートでも着るならば按分するのが原則です。
スタイリストの方ならば、洋服は仕入れになりますし、事業の特性に合っているかもポイントです。

小山

同じ領収書でも、経費にできる人と経費にできない人がいるというわけですね。
私はスーパーで仕事用の買い出しをすることも多いんですが、領収書をもらわなくてもレシートでもOK?

布瀬川

どちらでも構いません。むしろレシートのほうが購入した具体的な商品がわかるので、ごまかしができない分、信頼性が高いという考え方もできます。

大野
レシートも領収書ももらい忘れたという場合は、あきらめるしかない?
布瀬川

あまり高額なものだとグレーですが、メモでも認められるケースもあります。また、カード決済ならば、クレジットの明細も助けにはなります。
もちろん例外的な処理にはなりますが、救済措置として覚えておきましょう。ただし、カード明細は領収書のような法的効力はないので、カード決済をした場合も、青色申告の領収書の保管義務はあります。

大野
メモでも証拠になりうる! 覚えておきます。

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「集客のお悩みも、お気軽に相談してください」

小山

話は変わりますが、私の今の一番の課題が、売上をどう上げて行くか。そのためにどう集客をしていくかなんです。そういった相談も応じてもらえるんでしょうか?

布瀬川

税理士によっては税務関連業務以外、応じないというケースもありますが、当事務所では大歓迎です
まず、手っ取り早く着手できる方法としては、SNSはやっていらっしゃいますか。

小山

業務用としては、まだですね。

松本

私も前に勤めていたサロンを辞めて独立する際に、新規開拓のためにFacebookを始めたんですが、一定の効果はあると思いますよ。「無料お試しプラン」や「割引プラン」なんかの告知も反響は大きいですね。

布瀬川

当事務所でもFacebookで相談会の告知や、共同代表の五島の記事がサイトなどでアップされた際にお知らせしています。コツコツ、継続してやっていくことが大事ですね。
“無料プラン”“割引プラン”を打ち出すのは勇気がいりますけど、期間を決めて、計画的に回収していく道筋をつけておくのがポイントでしょうか。

小山

代々木上原という土地柄も考えて、価格競争に陥るのではなく質も担保しながら顧客を増やしていくことが大事ですね。

大野

オーソドックスですが、駅でビラを配るというのはどうでしょう?

小山

ポスティングは既に実践したのですが、チラシやパンフレットなども、何をどう打ち出すか、デザインも色々悩むポイントです。

布瀬川

自分でPRツールを作るとなると、つい「あれも、これも」と内容を盛り込み過ぎがちなので、思い切って“餅は餅屋”で、プロのデザイナーさんなどに依頼するのもいいのでは? 当事務所でも料金表やサービスプランを載せた簡単なパンフレットを用意していますが、やっぱり人によってはWebよりも“紙”の資料があると安心という方も多い。

既存のお客様から新規のお客様を紹介していただく際のツールにもなります。

小山

事業も3年目を迎えて、今後、注力していきたいこと、ブランディングも含めて考えてみます。

「税理士との契約は、まず費用対効果を見極めましょう」

松本

具体的に税理士の先生に顧問をお願いするとなると、どれぐらいお金がかかるものなんでしょうか。Webで検索すると、数千円といった格安の報酬を出していても、オプションで加算されていくような事務所もあって、何が適正なのか迷います。

布瀬川

当事務所の場合はシンプルで、訪問ナシのメール・電話のみの税務相談のインターネット限定プランで顧問料月1万円、決算料10万円からになります。

この場合も、事務所にいらして相談されるケースについては追加料金はいただいていません。

大野

どれぐらいの売上から、税理士に依頼するべきなんでしょうか。

布瀬川

お金のことはすべてプロにお任せしたいと言うケースならば、売上に関係なく、個人事業主、法人問わず、最初から顧問契約するという手もあります。
しかし、売上がまだ上がっていないうちから、毎月、税理士報酬が固定費でかかってくるというのも、経営上、好ましい状態ではないですよね。

小山

まだ売上に波があるので、毎月、決まったお金が出ていくというのは、少し不安があります。

布瀬川

そうですよね。大事なのは、ご自身が税理士に何を求めているのかをはっきりさせて、費用対効果を考えること。
それによっても同じ1万円でも、「高い」と思う方もいれば「安い」と感じる方もいらっしゃると思います。

松本

確定申告の時だけお願いするというのはどうでしょうか。

布瀬川

当事務所では原則的にはお受けしていないんです。
というのも、年1回だけのコミュニケーションとなると、情報が少なく、サポートできる範囲も限られてきます。

まれに、既存のお客様からの紹介で、個人事業主の方が確定申告の御相談にお見えになると、ご自身で年間の売上を把握されていないようなケースもままあります。
「そんなに儲かっていないので……」と言う方が、いざ数字を見てみたら、1千万円超の売上があるようなことも。その時になって、「経費にできるもの、領収書もない」となると税負担が大きくなるリスクもあります。

一同

えー! そんなことあるんだ。

布瀬川

逆に「知らない間に売上が下がっていた」と、確定申告の時に初めて気づくようなケースもあります。

松本

ドキッ! 先生、私のこと言ってます(苦笑)?

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「プロの第三者の目を、ぜひ上手に活用してください」

布瀬川

売上管理のアドバイスもさせていただいていますが、毎月、数字を提出することで「もっと頑張って売上をあげていこう」というモチベーションにつなげているクライアントの方もいらっしゃいます。

また、税務署は、経費などの額の大きな変化、“異常値”をチェックします。俯瞰で数字のバランスを見る上でも、客観的なプロの視点を役立てていただければと思っています。

松本

ダイエットなんかもそうですが、“その場しのぎ”じゃなくて、きちんと事業を継続していく上でも第三者の目を入れる意味があるんですね。

布瀬川

また、法人化したら税理士を依頼しようと考える方も多いと思いますが、その場合も「事前に相談いただけたら、もっと有効なアドバイスがもできたのに」ということもあります。

たとえば決算の時期や、役員報酬の額も、事業や人によってベストな選択肢が変わってきます。
融資を受けたい場合も、個人で行くよりも、税理士のサポートを受けることでより有利な条件でお金を借りられるケースもあります。

実際に顧問契約するまでの相談は無料ですので、もっと気軽に活用していただけるとうれしいですね。

大野

今日、布瀬川先生といろいろとお話をして、税理士のイメージがガラリと変わりました。

布瀬川

こちらこそ、みなさんの意見、税理士についてどのような考えを持っているかも、おうかがいできてとても参考になりました。
ご近所ですし、ぜひまた気軽に事務所に遊びに来てください。ありがとうございました。

布瀬川s EYE

今回は第一回目ながら、女性同士ということもあって、すぐに打ち解け、忌憚ない意見や質問をぶつけてくださって、私も新たな視点を得ることができました。
まだまだ税理士に対して“敷居の高さ”を感じている方に、税務以外にも気軽に相談いただけるよう“お金のなんでも屋”さんとして、もっと多くの方とお会いできればうれしいですね。

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